失業保険:PARE開始までに6カ月の移行期間

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年3月

全国商工業雇用協会(UNEDIC)にも新しい時代が始まる。雇用復帰援助制度(PARE)を誕生させる失業保険新協約は、2001年1月1日から2003年12月31日まで効力を持つ。その規定は段階的に実施され、最初の6カ月は、大部分の分野で旧協約が引き続き用いられる。PAREとその関連制度である個別活動制度(PAP)は7月1日まで適用されない。

新UNEDIC協約は、8カ月の困難な交渉の後、経営側、民主労働同盟(CFDT)、キリスト教労働者同盟(CFTC)、管理職総同盟(CGC)によって調印され、政府によってもようやく承認されたが、この労使共同運営機関が失業補償以外の資金提供ができるようにするためには、法律化―1月9日に国民議会で審議が始まる社会近代化法案と一緒に作業が進められる―など、まだいくつかの追加的な段階が必要である。また、UNEDICと国立職業紹介所(ANPE)は、それぞれの役割を定めることを目的とした別の協定を締結しなければならない。したがって、UNEDICは、1月に予定されていた理事改選を3月に延期した。結局、ドニ・ゴーチェ=ソーバニャック会長(MEDEF)の任期も1年近く延期されることになりそうである。

しかし、今後は失業の規則が変更される。失業補償を受けるためには、直前の8カ月間ではなく、直前の18カ月間に4カ月働いていればよい。UNEDICの推計によると、この適用拡大によって、2001年に予測される28万3000人の新規登録者のうち、5万6000人に恩恵がもたらされるという。1年間で第2失業期間へ移行した場合に設けられていた7日間の補償延長は廃止される。また、企業を創設もしくは再開した者が失敗した場合に、今後は失業制度へアクセスできるようになる。

7月1日からは新制度が本格的に実施される。失業者は登録のときに、PAREに署名し、「自立」度を評価するANPEの職員から面接を受けた後、さらにPAPへ署名することになる。PAPで求職者の仕事を見つけるために個別的就職支援措置(能力評価、職業訓練、定期面接)が決定される。PAPは6カ月後に見直される。政府は、PAREおよびPAPへの署名を義務ではないとしているが、CFDTによると、7月1日以前に登録していた者がPAREに署名しない場合、手当が逓減されるという。新規定は、手当逓減制度の中止を定めており、失業期間を通じて同水準が維持されることになるからである。失業手当は、以前の日額賃金の57.4%から75%の間に定められているが、日額152.94フラン(1フラン=15.99円)を下回ることはない。

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