TPI更生計画に対して従業員ストライキ
タイの石油化学最大手タイ・ペトロケミカル・インダストリー(TPI)の会社再建計画に対して、従業員の反対が続いている。
TPIは1978年、精米業および米の輸出で財を成したリャオパイラット一族によって設立 され、1980年代にはタイ最大の石油化学プラントとなった。しかし、1997年のアジア経済危機によるバーツの大暴落によって、巨額の為替差損を被り、経営が破たん、2000年4月にオーストラリアの会計事務所が管財人となっていた。
11月16日に予定されていた会社更生計画に対する債権者投票は、従業員のおよそ半数にあたる4000~5000人が投票会場のシリキット国際会議場を包囲したため、月末に延期された。次いで17日には、約600~700人が大口債権者である銀行(バンク・オブ・アメリ カ、シティ・バンク、バンコク銀行、国際金融公社(IFC)など)およびアメリカ大使館の周辺でデモ行進を行った。そして、雇用削減に反対する直訴状を手渡すといった抗議活動を行った。抗議活動の理由として、更正計画が実施されれば雇用削減は免れないため、としている。
11月27日には、ラヨン県の従業員グループの代表者が、28・29日にストライキを実施するという届出を県の労働事務局に提出した。しかし、同局は届出を却下した。もしストライキが行われ、製油所が完全に運転を停止した場合、タイ最大手の工場だけに、その損失額は膨大なものになると見られている。12月1日に入ると、従業員約3000人がラヨン県の一部の工場でストライキに突入する予定であることを発表した。従業員らは、経営権を持つ債権者に対して、雇用の確保、2001年からの15%の昇給、企業厚生年金に対して経営側が5年間10%の負担すること、3カ月のボーナスなどを要求している。
12月15日、中央裁判所はTPIと子会社6社の会社更生計画を承認、37億ドルの巨額債務は、バンコク銀行などの金融機関によって管理され、TPIは再建に向けてスタートを切った。巨額の債務の返済計画と、子会社の売却などの詳細が決まったが、従業員の解雇は原則として行わないとの方針が明らかになっている。
2001年2月 タイの記事一覧
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関連情報
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