政治的混乱にもかかわらず、GDPは3.8%成長か

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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経済調整委員会(ECC)は、政治的混乱にもかかわらず、2000年のGDPは最悪でも3.8%の成長になると予測した。パルド財務長官は、「GDPの3.8%成長は最悪のシナリオで、4%の成長が達成可能だと信じている」と述べた。当初の経済成長目標は、4~5%であった。

2001年のGDPの成長について、ECCは、長期化する政治的混乱の影響により最悪の場合2%になり、2000年の歳入不足が1000億ペソに膨れ上がると、2001年のインフレ率は8%になると予想している。

エストラーダ大統領の経済チームも、2000年の経済成長が4%を達成したとしても、エストラーダ大統領を取り巻く政治問題は、2001年の経済成長にすでに影響を与え始めていると分析している。収賄容疑が発覚する前に、エストラーダ大統領の経済チームは、GDP成長が4%を達成し、インフレ率が5.5~6.5%の範囲になるよう計画していた。財政赤字については、2000年8月にすでに2000年の予算上の歳入不足は625億ペソに達し、経済チ ームは、2000年の歳入不足を900から1100億ペソになると見積もっている。

デオキノ予算行政管理長官は、2000年11月15日、政治不安が2001年の年央まで続いたとしても、GDPの2.7%成長は可能だと述べた。

一方、国際機関の予想をみると、アジア開発銀行(ADB)は、2000年のGDPの成長率は 3.8%、インフレ率は6.5%を予想し、2001年の GDP成長率は、4.3%から3.3%に下方修正し、インフレ率は6%を予想している。また、IMFのロビンソン調査副部長は、2000年のGDP成長率を4%以下、2001年は3%に予想を下方修正した。

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