宮沢基金終了
―雇用創出に貢献大

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年12月

タリン蔵相は、日本政府支援による宮沢基金が、経済危機後の雇用創出に大きく貢献し、2000年9月に終了したことを発表した。そして540億バーツの宮沢基金は、雇用の促進という役目を果たし、それは社会保障制度への参加者の増加という数字に表れていると述べた(1997年には620万人であったのが、経済危機により大幅に激減したが、99年1月には540万人へ、2000年の8月には592万人と着実に増加している)。

また、宮沢基金による経済成長への寄与度は、2000年が0.3~0.5%、1999年では0.8~0.9%と推計されている。

基金の資金540億バーツは、日本の前海外経済協力基金(OECF)から2億5000万ドル、前日本輸出入銀行から6億米ドル、世界銀行から6億ドルの融資によるものである。

予算配分は、540億バーツのうち、229億バーツが雇用の促進のため(結果的に500万人の雇用を創出したとされる)、88億バーツが公衆衛生や安全な水の供給、環境資源の保全といった観点からの人々の生活水準向上のために使われた。その結果、全国に735の健康保健センターが建設され、1715村の水道施設が改良された。また、76億バーツは、教育機会の提供に、18億バーツが国際市場における競争力の増加のために、8920万バーツが、マングローブ林などの特定地域の経済開発に、91億バーツが行政機関の効率性の向上に使われた。

宮沢基金は、多大な額のために、その資金の使途の透明性が問題となっていたが、会見での質問に対してタリン氏は、「10万以上の小さなプロジェクトに分割された資金の使い道を、すべて政府が把握することは困難である」との見解を示した。

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