ハンガリー/労働市場状況

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

中欧・東欧の記事一覧

  • 国別労働トピック:2000年11月

全国労働研究・方法論センター(National Labour Research and Methodological Centre、ハンガリー語での略:OMKMK)が2000年7月に発表した最新労働市場報告によれば、登録失業者数は引き続き減少傾向にあった。失業者数は2000年3月に9800人、続いて4月にも1万6800人減少した。その結果、4月末の総失業者数は411万1100人となった(注)。

ハンガリーの主要7地域を比較してみると、失業率に大きな差がある。昨年同期に比べて、失業率は以下のように変化した。まず、ハンガリー中心部とドナウ川流域中部・西部では低下した。ドナウ川南部では変化が見られなかったが、ハンガリー東部3地域では1999年の水準に比べて相対的に失業率が上昇した(注:先週、日本のカーラジオ・メーカーであるSHINWAが、この地域に組立工場を開設した)。

<p>ハンガリー/失業率が最も大きく(1%)低下したのは、ドナウ川流域中部だった。一方、失業率が最も大きく(0.4%)上昇したのは、ハンガリーの北部平野地域だった。この労働市場情勢の地域格差拡大は、「最良」地域労働市場と「最悪」地域労働市場の間の失業率の格差拡大にはっきりと表れている。例えば、両極端の2地域(「最良」労働市場であるハンガリー中心部と「最悪」労働市場であるハンガリー北部)の失業率には4.47倍の開きがある。表1は、1999年4月から2000年4月にかけてのハンガリーにおける登録失業者の特徴を表している。

ハンガリー/いわゆる「積極的労働市場」(active-labour market)プログラムに参加する失業者数は、やや減少した。2000年3月には、2万3200人の若い「新社会人」が各種の積極的労働市場プログラムに参加していた(前年同月比2.5%減)。登録者数が最も大きく伸びたのは、積極的労働市場措置の一種である「公共事業」であった。 表2は、若い「新社会人」の参加状況を分かりやすく示している。

表1 ハンガリーの登録失業者(1999年4月〜2000年4月)

特徴 1999年4月 2000年4月 変化
率(%)
登録失業者 421,716 411,066 -10,650 -2.5
中学・高校離学者 26,527 23,333 -3,214 -12.1
25歳未満 84,763 80,640 -4,123 -4.9
男性 231,826 224,704 -7,122 -3.1
女性 189,890 186,362 -3,528 -1.9
ブルーカラー労働者 351,351 341,647 -9,704 -2.8
ホワイトカラー労働者 70,365 69,419 -946 -1.3
未熟練労働者 206,469 202,780 -3,689 -1.8
大学卒業者 9,760 10,348 588 6.0
初回登録者 50,008 48,853 -1,155 -2.3
平均登録期間 278 280 2 0.7

表2 積極的労働市場プログラムへの若い「新社会人」の参加状況

措置 若い「新社会人」
人数 前年同月比(%)
訓練実施 6,682 95.7
訓練受講 3,968 100.6
訓練合計 10,650 97.5
賃金補助 1,757 82.8
公共事業 825 103.2
旅費支給 828 101.1
業務経験 8,423 100.2
雇用助成金 709 100.0
合計 23,192 97.5

2000年11月 中欧・東欧の記事一覧

関連情報