失業率13.9%、過去9年間で最高に
フィリピンの失業率は、2000年1月の9.3%から、4月には過去9年間で最も高い13.9%に急上昇した。農林水産業に雇用の相当な悪化が見られ、雇用者数は、2000年1月の1200万人から、4月は1059万人に減少した。これが、失業率の上昇に最も大きな影響を与えた。
国家統計局(NSO)の最新の資料によると、失業者数は、1999年4月の395万2000人、2000年1月の295万3000人から4月には457万3000人に増加したことが明らかになっている。一方、総雇用者数は、1999年4月は、2949万2000人、2000年1月2889万5000人から4月は2630万1000人に減少した。
これに対し雇用労働省は、雇用の悪化は賃金を支払われない家族従業員や自営業者に見られるのみだと反論し、夏季の農業における季節労働者あるいはパートタイム労働者の減少によるものだと説明した。
ラグエスマ労働大臣は、1991年4月に記録した14.4%以来最も高い13.9%という失業率について、2000年4月の雇用の悪化は、食糧自給強化計画を後退させる政策の影響を受けた農林水産業に原因があると述べた。「賃金労働者と正規雇用者数は、実際は、10万4000人増加し、2000年第2四半期の総雇用者の50.6%を占め、正規雇用者と週40労働時間を超える雇用者数は64.5%に増加した。これらのデータは、総雇用水準では確かに悪化したが、雇用の質は明確に改善したことを示している」と強調した。
さらに、ラグエスマ労働大臣は、雇用悪化にもかかわらず、政府はより多くの仕事が第3四半期以降生まれると確信していると語り、予想外の失業率の上昇の原因は、農業労働者の突発的な減少にあり、この問題も農業省の予測によると、農業生産高が次の四半期に3.5%増加するため改善すると述べた。この点について、NSOの調査でも、雇用悪化は、過剰農業労働者が他に職を求めたことに原因があるとしている。
NSOの報告書は、昨年同期比で労働者が57万人減少した他の要因としてムスリム・ミンダナオ自治地方での紛争を指摘している。政府の発表でも、ミンダナオの紛争は、全国の雇用者数の数値に影響を与えたとし、紛争による大量の農林水産業従事者の失業により、失業者数が増加したとしているが、NSOが労働力調査を実施した時、信用できるデータは、この紛争地域から提出されていない。
2000年4月の時点で労働力の約86.1%が就業しているが、1058万8000人が農林水産業に、457万1000人が工業に、1317万2000人がサービス業に従事している。
ラグエスマ労働大臣は、重要な政策が、新しいミレニアムの幕開けに雇用を増大させると説明し、その1つに、1999年から実施された公共職業紹介(PESO)法を挙げ、この法は、大量の人々に仕事を提供し、経済危機を克服するように集合的雇用促進ネットワークを構築し、2000年1月から3月までに、5万2000人を就職させたと述べた。
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