ストック・オプションで従業員に優遇課税
起業活動を奨励するため政府が設けた「起業従業員ストック・オプション制度」が2000年6月1日に発効した。これにより、総資産額1億ドル未満の企業で働く従業員は、ストック・オプション利益にかかる税金は半額となる。
同制度は、総資産額1億ドル未満の企業のストック・オプションおよび、当該企業で主たる労働時間を費やす従業員に適用される。ストック・オプションは、従業員などへの報酬として、自企業の株式を固定価格(通常は市場価格より割り引きした価格)で購入する権利を与えるもの。
シンガポールの税法では、従業員はオプションを行使して株式に変換した際に生じた利益に課税される。所得税は直接利益について課税されるので、通常、当該株式の現行市場価格と当該従業員がオプションを株式変換するために支払った金額の差に課税される。新制度が発効したことにより、同制度の対象者は、10年間に1000万ドルまでの利益について50%の免税を受けられる。
新規事業主らは今回の制度を歓迎しているものの、シンガポールでは賃金パッケージにストック・オプションを含めている企業はまだ少数なので、その効果はすぐには現れないだろうと見ている。また総資産1億ドルを超える対象外企業も、同じ理由から、新制度により人材確保に支障を来すことはないだろうとしている。
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