政府、汚職撲滅委員会設立を準備

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年9月

政府は、汚職撲滅委員会(NACC)設置を準備している。

パルド蔵相は、農地改革省のホラシオ・モラレス長官を委員長とし15人の委員からなる NACCが、香港の方式をモデルとして設置されることを明らかにし、香港では、委員会が直接高官に、公務員によってなされたどんな汚職も報告すると説明した。フィリピン政府の収賄問題は、世銀に代表される多くの国際的債権者により提起され、政治問題となっていた。

パルド蔵相は、「法的命令が、この組織を効力あるものにするために必要だ」と強調した。この背景には、パルド蔵相が副議長を務める経済調整委員会が、委員会の主要点が単に行政命令により取り組まれるだけであったので、法制化の必要性を痛感していたことがある。

汚職の問題の他に、身内をひいきにする問題も、海外の債権者だけでなく、投資家からも提起されている。パルド蔵相は、身内をひいきにする問題も、NACCが担当すると発表した。

汚職問題は、2000年6月19日、タガイタイ市で行われた、政府と海外の債権者・資金提供機関との会議でも討議され、世銀のフィリピン代表のビナイ・バルガバ氏は、新しい委員会の設立と汚職撲滅政策の実施は、海外の資金提供者との会議で要請されたものだったと説明し、「汚職撲滅政策が、有効な統治のための重要な要素の一つだったので、資金提供者は、この進展を歓迎している」と述べた。

また、バルガバ代表は、汚職問題の他に、海外の債権者は、司法と財政部門における改革に関心を寄せていると述べ、投資家による信用の下落の回復につとめ、歳入を増加させる主要な施策を実施し、出生率を下げるために家族計画を支援し、貧困撲滅事業計画を実施するよう政府に要請している。

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