タイ人の会社への忠誠心は高い ―国際比較調査から

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

タイの記事一覧

  • 国別労働トピック:2000年8月

香港のアジア・マーケット・インテリジェンス(AMI)が、香港、台湾、韓国、タイ、フィリピン、シンガポールなどアジア8カ国、1676人の会社員を対象に労使関係の調査を行った。その結果、タイの労働者は、韓国やフィリピンと同様に、会社に対して強い帰属意識を持っていることが明らかになった。また、タイ人の10人中9人が自分の所属している企業で働けることを誇りに思っており、仕事中は家族の一員のような気持ちで働いていることも明らかになった。

会社への忠誠心という視点からは、韓国の会社員の約8割が組織に対する帰属意識を持ち、要求された仕事量以上をこなしていると回答している。フィリピンの会社員の69%は、現在の使用者を変更することは難しいと答え、87%は自分の貢献に見合った見返りを企業から受けていると答え、83%は良い仕事をするモティベーションを持っていると回答している。

それに対して、会社への忠誠心が低かった国々は中国、香港であった。中国人の4分の1しか自社に対して誇りを持っていると回答していない。香港では、会社に対してなんの義務も感じていないと答えた人が27%で、福利厚生やキャリア開発の不十分さに不満を持つ会社員が多く、使用者側に不信感を募らせている。その結果、自社を推薦できないと答えたものは29%にものぼっている。台湾では、上司が自分を信用していないと答えた人が21%、また10人に3人が給与と待遇が不公平であると感じている。シンガポールでは、10人中7人が会社に対しておおむね満足していると答えている。

2000年8月 タイの記事一覧

関連情報