マハティール首相、労働者に生産性向上を求める

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年8月

マハティール首相は5月1日、メーデーでの労働者へ向けたメッセージで、より高い賃金を得るには使用者と対決するのではなく、生産性を上げることだと勧告した。また労組が要求している最低賃金の早期導入については、否定的な見解を示した。

首相はメッセージで、労使の対立は、どちらが勝者になったとしても、コストを高め、結局は一国の競争力と収入を奪うことになると強調したうえで、首相自身が月額1200リンギの最低賃金を支持しているとの風評について、これを明確に否定した。

その理由として首相は、最低賃金が導入されれば、すでに最賃額以上の賃金を得ている者が、最賃適用者との従来の賃金格差を維持しようと賃上げを要求することになる点を指摘した。

最低賃金については、マレーシア労働組合会議(MTUC)が、景気回復を背景に早期導入を要求しており、4月に、修正最賃案を大蔵省と人的資源省に提出していた。

一方で首相は、最賃適用範囲の労働者の生産性がさらに向上し、かつ企業業績が良好であれば、労働者が1カ月最低1200リンギを得ることは望ましいとし、それを負担する余裕が政府と民間企業にあれば、労働者からの要求がなくとも導入するであろうとも述べた。

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