高失業率下でも充足されない働き口が存在

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年5月

欧州連合諸国全体の中で見ると、スペインは労働力率が比較的低い国であるにもかかわらず、過去20年間を通じて失業率は平均の倍という高さである。これには様々な構造的要因があるとされているが、中でも労働の需要と提供が結びつかないという問題に関してはあまり注意が払われてこなかった。

経済社会委員会(CES)は労組および企業の代表者が参加する政府諮問機関の一種であるが、このほど、スペインの労働市場に働き手の見つからない働き口があるという実状について発言している。問題は現在の労働市場が、失業者が仕事のある所に積極的に移動するのを促す能力を全く欠いているという点である。自治州と全国雇用庁(INEM)に責任があり、その結果、高い失業率が特定の地域に集中するという現象もあらわれるのである。

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