2000年の経済成長率、5~6%

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年5月

リー・クアン・ユー上級大臣は2000年2月10日、2000年のシンガポール経済に関し、米国経済の景気が維持されれば5~6%の成長が見込まれると予想した。同時に、アジア経済の回復のためには米国の需要が不可欠であり、米国の株式市場の動向次第では、回復が頓挫する可能性がないわけではないとの見方を示した。

同大臣は、2000年に高成長を実現しながら、シンガポールが次の発展段階に入るためには、経済システムとともに国民の意識を変え、リスク回避型社会から脱却する必要があると指摘。シンガポールは起業と革新の大半を多国籍企業に依存してきたが、技術の急激な変化、特にIT(情報技術)により、今後は企画力に富み、自らのアイディアを実現する企業家精神を備えた者が社会的優位にたつことになると述べた。

大臣によると、経済システムの新たな枠組みを形成すること自体はさほど難しくなく、むしろ困難なのは社会的なソフトウェア、文化、若者の意識を変えることであり、この点では、これまで常にリスク・テイカーであり続けた香港人の方が、次の発展段階へ移行する準備ができている。大臣は、多国籍企業などの大企業に就職し、社内での昇進を志向してきたシンガポールの若者に、意識変革を強く呼びかけた。

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