公務員給与30%引き上げへ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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時報2000年4月号で、公務員給与の引き上げは保留という記事をお伝えしたが、その後、公務員給与に関する新しい動きがあった。

2000年2月29日、政府は2000年4月から12月までの公務員給与(警察、軍も含む)を30%引き上げることを発表した。教師や警察官などに対しては、給与引き上げだけではなく、特別手当も100%引き上げられることになった。

政府は2000年1月に、公務員給与を20%引き上げる方針で、45兆7000億ルピア(100ルピア=1.33円)の予算を計上し、公務員給与の引き上げによって官僚組織の腐敗が減少することを期待していた。また2000年より燃料価格が平均12%、電力への課税が29%増加することが決定しているため、450万人の公務員の給与が引き上げられることで、市民の購買力が増加することも期待している。

この給与引き上げのために、政府は増税や民営化の推進、原油収入の増加に努力するとしているが、一方で現在の経済・政治状況が回復するためには増税といった処置が適切かどうかといった懸念も出ている。

このような公務員給与の引き上げに対して、多くの立法者は賛成の意を表している。経済危機で経営が悪化した銀行に対して、政府は公的資金を42兆3000億ルピア投入したことから、公務員給与に対する予算も当然引き上げられるべきとの声もある。

例としては、ワヒド大統領の基本給は1500万ルピアから2670万ルピア(3814米ドル)へ、メガワティ副大統領は1000万ルピアから2200万ルピアへと引き上げられる。ちなみに、従来の公務員の月額基本給は、新任で未婚者の場合14万1800ルピア(19.16米ドル)となっている。

しかしこの給与引き上げに伴ってインフレが懸念されている。ガダマジャ大学のアナリスト、トニー氏によれば、インフレ率は最低でも4%、高くて10%まで増加するであろうと予測している。

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