工業技術専門学校の教員が学生の実技試験をボイコット

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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2000年1月30日、カルナータカ州のビスベスバラヤ工業技術専門学校で、教員が学生の実技試験をボイコットした。

教員労組のナガラジ委員長は、当局が教員に対し第5回中央給与委員会勧告によるベースアップを否定したため、この差別的な待遇に抗議し実技試験をボイコットしたと説明した。さらに、ナガラジ委員長は、他の技術専門学校の教員にも試験をボイコットするよう呼びかけ、SDM工業専門学校他5工業専門学校でも試験のボイコットが実行された。

この背景には、農業技術専門学校教員の給与のベースアップが実施されたにもかかわらず、工業技術専門学校教員のベースアップが否定されたことへの非常に強い不満がある。

2000年1月31日、労組から派遣された代表が、労働大臣と全インド工業教育諮問委員会(AICTE)に会うためにニューデリーに向かった。

この労組の行動に対し、カルナータカ州の G.パラメスワル高等教育担当大臣は、州政府は、ベースアップされた賃金表を実行する前に、中央政府の労働省からの指示を待っていただけだと説明し、州政府側にベースアップ実施の遅延の原因はないと主張した。また、ベースアップ実施には1億6500万ルピー必要とし、中央政府が費用の80%を、州政府が20%を負担しなければならないが、州政府は、今年度末までに、中央政府の補助金を利用することを強く望んでいたと強調した。

ただし、パラメスワル高等教育担当大臣は、州政府は補助金が支給されていない工業技術専門学校教員に対してはベースアップを実施できないと明言した。州の77の工業技術専門学校のうち、16校だけが補助金が支給されている学校である。州政府は、これらの工業専門学校については、新賃金の支給を認める予定であり、一方補助していない工業技術専門学校については行政管理はできないと説明した。

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