議会が国営電力会社の民営化を促進

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年4月

国営電力会社は、負債を減少させるためにリストラと民営化を迫られ、また高い電気料は外国からの投資に影響を与えている。

下院エネルギー委員会のアーヌルホ・フエンテブラ委員長は、国営電力会社がリストラし、負債を減額させなければ、電気料は上がり続け、キロワット時あたり0.57ペソの値上げがすぐに実行されると説明し、フィリピンの歴史上、電気料が値下げされたことがないと述べた。

委員会は、この問題を解決するために1999年の電力産業法を発議したが、フエンテブラ委員長は次のように説明した。消費者はキロワット時当り平均4ペソ支払っているが、その内の0.5から0.6ペソが5000億ペソの負債の利子支払いにあてられている。国営電力会社が民営化されると5000億ペソの負債の1500億ペソを消却でき、これにより消費者の支払う電気を値下げできる。国営電力会社は、過去30年間、発電と送電を独占し、その結果、フィリピンの電気料は、アジアで日本に次いで高くなっているが、この高い電気料が、多国籍企業が国外に撤去する理由の一つである。与党の中に、この提案を承認するコンセンサスがあり、この法案により電力産業に広範囲な改革をもたらしうる。

過去1年間に、委員会はこの問題について32回の公聴会と技術会議を開催したが、フエンテブラ委員長は、もし我々がすぐに行動を起こさなければ、国営電力会社は今後どのようになり、電気料金はどうなるのかわからないと危惧し、国営電力会社のリストラと民営化は、この会社を救済する唯一の方法であると述べ、国営電力会社のリストラ、民営化により、民間部門に、発電、送電、配給、供給の4つの産業部門が生まれ、消費者に電力の適正価格と安定供給という利益をもたらす開かれた競争を促進すると強調した。一方、国営電力会社の現状を維持することは一層の外国からの借款を必要とし、フィリピン国民を悩ますこととなると語った。

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