コカ・コーラ社6000人削減

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年4月

機構改革の遅れたいくつかの企業で会社組織の見直しが行われている。世界中で長年好業績を続けてきたコカ・コーラ社は2000年1月末、業績不振により同社史上最大規模になる総社員の約20%(約6000人)の一時解雇を発表、当初予想された2000人削減を大きく上回る人員削減に着手した。同社によれば、早期退職、職務の外部委託、職務削減等により約6000人の人員削減を行う。その地域別内訳は2500人がアトランタ本社、800人がアトランタ以外の合衆国、そして3200人が外国でのものとなる。一部の一時解雇は既に進行中である。本社から解雇された何人かの従業員は厳重に警備された本社から泣きながら、付き添われて同社を去った。同社は1990年代初頭、積極的に優秀な人材獲得に努め、組織が肥大化した。大幅な人員削減は、官僚的な組織と約3万人にまで膨れ上がった人員とによって利益の多くが失われていることに我慢できない社外取締役の意向を反映している。日本支社のように他の地域よりも多様な品目を扱って成功している事例があるため、やや画一的であった世界規模の戦略の見直しを進め、意思決定を本社から各地域の支社に委譲するなどの改革を行う。これはダグラス・ダフト社長兼最高執行責任者(COO)の方針で、同氏は2000年2月17日に会長兼最高経営責任者(CEO)に就任した。

電信電話業界のAT&Tは2000年末までに20億ドルの費用を削減する予定である。その一環として同社は2000年1月18日の文書の中で、管理職600人の約25%を削減する計画を明らかにした。これは、費用削減を同社の全ての階層において行うことを意図している。同社は管理職の人数が多い官僚的な組織であると見られており、これを是正する狙いもある。これに伴い機構改革も行われるが、全部門の中で最大規模の費用削減が予定されているのは長距離電話部門である。同社の成長部門である無線電話部門でも現在求人凍結状態にあり、新たに従業員を雇う際にはアームストロング会長の個人的な承認を必要としている。

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