新・人的資源大臣にフォング氏

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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1999年11月29日に行われた第10回総選挙(下院選)で与党連合、国民戦線(BN)が勝利したのを受け、マハティール首相は組閣作業に着手、人的資源大臣にフォング・チャン・オン(Fong Chan Onn)氏が就任した。

フォング氏(55歳)は、BNを構成する政党の一つ、マレーシア華人協会(MCA)の副会長で、これまでの9年間、教育副大臣をつとめてきた。正大臣に就任するのは今回が初めて。1990年に政界入りする前は、マラヤ大学の経済経営学部長を務めていた。

大臣就任式後の記者会見でフォング氏は、協調的な労使関係を堅持していくためにすぐにでも労働組合の幹部と会見したいと述べる一方、具体的な労働政策に関しては、とくに労働者の技能向上や再訓練を重視していく意向を示した。

その一環として人的資源省は、教育機関の講師やスタッフの技能向上を進めるため、これまで製造業とサービス業に限られていた人的資源開発基金(HRDF)の助成対象を、2000年1月31日から高等教育機関にも拡大すると発表した。これにより600以上ある民間の各種学校が恩恵を受けるものと期待されている。

リム前人的資源大臣、政界引退

総選挙を目前に控た1999年11月17日、リム人的資源大臣(当時)は選挙に出馬せず、政界の一線から退く意向を表明した。「家族と一緒に過ごす時間が欲しい」というのが理由。

同氏は1968年にMCAの党員となり、1974年にパハン州議会議員に当選して政界入り。その後1986年にMCAの副党首となり、1989年に同州の下院議席補欠選挙で当選して同年に人的資源大臣として入閣を果たした。大臣就任時代の功績として、マレーシア労働機関(MLO)とマレーシア労働組合会議(MTUC)の対立を緩和し、再統合に導いたことがあげられる。

政界の一線を退きながらも、当面はMCAの副党首のポストにとどまる意向だ。

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