中小企業への貸し渋り続く

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年2月

政府の経済再生政策の柱となっている中小企業の活性化であるが、商業銀行側は中小企業への資金援助に消極的であることを、地元のビジネスマン達が明らかにした。

地元の銀行は、不動産や自動車産業などの特定産業に焦点を当てており、その他の分野、特に製造業といった利潤の低い中小企業には「不公平な」扱いをしているという。製造業は市場での競争が激しく、信用(資金)を得ることが更に難しい分野である。製造業で新しい事業を始めようとする人々も、資金繰りが困難なために着手できず、事業発展を阻害する大きな要因となっている。

チャツモンゴン中央銀行総裁は、資金の貸し出し決定の際に、銀行は新規の借入者を分類し、将来有望なビジネスを見極めるよう指導されていると説明している。同行では、有望分野の企業と、経済危機で打撃を受けた企業との分類に努めているということで、このような銀行側の体制が、貸し渋りの原因と見られている。

企業の資産が2億バーツ以下と定義されている「中小企業」は、タイの全企業の約90%にあたり、中小企業の活性化で失業問題を解決したい政府としては更なる考慮が望まれるところである。

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