雇用保障の年功規定の変更を急がず

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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雇用保障法の中の年功制度に関する改正法が施行されるのは、早くて2001年1月1日と予想される。この法改正は、従業員10名未満の企業が人員削減を行う場合、使用者が年功度の低い社員2名を選んで年功リストから外せるように雇用保障法を改正すべきであるという議会の中産階級野党の動議を緑の党が支持し、1999年3月国会が可決したことをうけて行われる。

とは言え、年功法が厳密に守られたことは今まで一度もなかった。使用者ほどでなくとも、同様に自分たちが働く企業の成功に関心のある組合は、同法をむしろ組合の交渉手段として利用してきた。同法の変更の意義は、人事配置や退職条件に関する組合の交渉力を事実上弱めることに限られるであろう。

労働省からは、同法の条文変更が考えられる部分に関して、まず始めに1999年12月に覚書の形で最初の提案がある予定だ。この覚書は使用者団体および組合に送付され、意見を求めることになる。それらの意見の検討後に初めて大臣が法律の草稿を起こし、それを夏季休会の前に国会の司法委員会が精査する。法案はその後議会へ回される。新改正法は、その間に政治状況に変更がない限り、2001年1月1日に施行されるであろう。新しい議会で政党別色分けが組合に有利となれば、組合は同法の変更を2002年の選挙以降に要求するに違いない。

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