公務員給与・ボーナス、削減措置を一部解除

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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リー副首相は同声明において、経済の回復がほぼ確実となったことを受け、公務員の給与・ボーナスについて1998年に実施された削減措置を一部解除することを明らかにした。

ボーナス、前年比0.25カ月分増

公務員の年間可変給部分(AVC、ボーナスに相当)は、1997年は2ヵ月分であったが、経済危機の影響で1998年は0.75カ月分に削減されていた。1999年については、1998年より0.25カ月分多い1カ月分とし、7月に支給した0.5カ月分の差額0.5カ月分を12月に支給する。1カ月分の年間増補賃金(AWS)については例年どおり支給される。

政府はまた、全国賃金評議会(NWC)が1999年5月に賃金勧告を発表して以来、経済の状態がかなり改善したため、さらに0.25カ月分の1回限りの特別ボーナスを支給することも決定した。AVC と特別ボーナスを合わせると、1999年のボーナスは1.25カ月分になるが、これでも経済危機以前に受け取っていたAVC2ヵ月分に満たない。

なお、リー副首相が声明で明らかにしたところによると、公務員局(the civil service)は現在、公務員の給与を業績に結びつける方策を検討しており、引き続き好況が続き、NWCが公務員給与の増額を勧告すれば、政府はこの増額分の一部または全部を利用して、業績に応じた年間ボーナスを導入したい意向だ。

給与、1998年の削減措置を全面解除

政府はコスト削減策の一環として、公務員や任命官の賃金削減を率先して実施し、1999年1月1日よりスタッフ・グレード、スーパー・スケール、ディヴィジョン・、ディヴィジョン・の各等級の給与を、それぞれ5、3、2、1ポイントずつ引き下げた。しかし、2000年1月1日よりこの削減措置を解除し、以前の水準に完全復旧する。

これ以外に、閣僚や上級官僚の給与も1998年から1999年にかけて凍結されていた。通常、閣僚・上級官僚の給与は、民間部門の実収入に連動しているが、1998年と1999年の民間実収入の測定基準値(それぞれ2年前の実収入に基づいて算定される)は、それぞれ13%、29%上昇している。リー副首相によると、1998年の実収入に基づいて算定される2000年の測定基準値はまだ出されていないが、さらに上昇している可能性が高い。経済が回復に向かうなか、民間部門と公共部門の間の適切なバランスを取り戻す必要があるとの認識から、政府は閣僚・上級官僚の給与を相当分引き上げることも決定した。

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