政府が香港の外国人メイド源泉課税に反対
香港の立法会議員が、1999年10月14日の予算委員会で、ドナルド・ツアン財務長官に、外国人メイドの賃金に20%源泉課税すべきだと提案した。
提案理由としては、すべての住民が15%の税金を負担していること、フィリピン人メイドの日曜日毎の集会後のごみ収集に費用がかかること、入国管理に経費が必要なこと、公共施設を使用していることを挙げている。
提案者の一人、チョイソユック法制委員会委員の主張によると、メイドが非課税で生活しているのに、政府はゴミを収集する為の支出をし、使用者は無料の宿泊、食事、医療サービスを提供している。また、司法扶助局と移民局は我々に重い負担を強いるサービスを彼等に提供している。この法案は、政府に年20億香港ドル(2億5600万USドル)の税収をもたらすと述べた。
香港の外国人メイドは、不景気で賃金が減少しているのに加えて、新たに課税されることを非難し、騒然とした。
香港職工会連盟(CTU)のオングイングス氏の反論は以下の通り。その提案は低収入者層を差別待遇するものだ。香港の17万8000人の外国人メイドは香港の他の労働者と比較し僅かな賃金で働き、また、彼等から徴税すべき切迫した要求はない。誰も彼等が我々の社会に貢献していないといえない。外国人メイドの香港での就労は多くのキャリアウーマンに家庭を離れ就労することを可能にしている。
政府当局は、予算はまだ審議中だとしこの提案に関するコメントはしていない。
1999年10月20日、フィリピン政府のシアゾン外務長官は、香港法制委員会委員の提案を非難し、香港当局にその提案は全く不必要だと強調し続けると語った。この提案は、香港の16万7000人のフィリピン人メイドに影響を与えると予想される。
コリンソン駐香港フィリピン総領事によると、その提案は「誤解、人種差別的、人間差別的」であり、フィリピン人メイドは、月額3670香港ドル(470US ドル)の最低賃金を約734香港ドル減額されることになる。実際はフィリピン人メイドは、彼女等が得るサービスの支払いを政府にしている(例えば、少数雇用者権利裁決委員会要求を提出する際、20香港ドルの申し立て費と5香港ドルの告訴料を支払い、毎回の滞留延長に対する入国管理局への135香港ドルの支払い)。
更に、コリンソン総領事は、1998年10月、総領事と香港市当局が合同で行ったクリーンアップ香港運動を開催したことを引用し、香港のフィリピン人社会が香港に貢献していることを強調している。
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