失業率下がらず
年末景気に向けて下半期から失業率が減少するという例年の傾向が1999年は起こらなかった。ブラジル地理統計資料院(IBGE)の発表によると1999年9月の公式失業率7.4%は10月に7.5%に増加しており、人数にすると179万人となった。1998年同月と同率である。公式失業率は6大首都圏のみが調査対象となっている。どの地域も期待された年末雇用増加の傾向は見えず、調査担当者はただ今後失業率が上がる予測しか持てないとしている。経済活動が低迷したままであることが、その最大の要因であり、1998年末のロシア危機以来、1月の大型為替切り下げ、外資引き留めのための金利大幅引き上げ、その後の経済活動低下から、年末まで立ち直れなかったことと、政府の財政再建に必要な政府構造改革案が、国会の承認を得ることが困難視されており、政府の財政再建がなければ、経済成長は犠牲になるという憂慮から、企業が慎重になっており、年末気分も低迷している。IBGE でも、経済活動が回復しない限り、引き続いて失業率は高いまま推移すると予想している。公式資料によると10月の就労者は1650万人となり、9月から0.4%増加している。商業が年末商戦に向けて少し雇用を増加させ、最近売行きが伸びた不動産建設部門が労働者の雇用を増やしている。就労者の平均収入は、失業率よりひと月遅れの9月分として発表され、最低給料の約5倍である680レアル(1ドルは約1.90レアル:原文のまま)となっている。この平均収入は1998年同期に比べると6.6%の後退となる。なお、労組の社会経済研究機関であるDIEESEはサンパウロ首都圏の失業率を9月の19.9%から10月は19%に下がったと発表した。人数にすると170万人の失業者となっている。
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