ホワイトカラー労組、統合を検討

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年1月

職員組合連合(TCO)の新事務局長、スツーレ・ノードは、TCOと大卒専門技術労働者労組連合(SACO)が共同で新たな組合連合体を作ることを検討すると発表した。

今日、多くの場合、ホワイトカラー労働者がTCOに加入するかSACOに加入するかは個人の選択に委ねられている。最近ではSACOの方が魅力的であるようで、SACOの総組合員数が増加しているのに対し、TCOの総組合員数は横這い乃至減少している。これら2つの組合が競争状態にあると時間や他の資源を浪費し、使用者との交渉を効果的に進められない嫌いがある。そのため、TCOとSACOは、共同研究に向けた指令を検討中であり、半年以内にその第一歩を踏み出したいという。

共同研究では、次の三つの選択肢が検討される予定である。

  1. TCOとSACOを統合する。
  2. 両者がこれまで以上に緊密に協力する。
  3. 全く新しい組織をつくる。

これに対しSACOは、TCOとは良好な協力関係にあるが、合併することはないと語っている。TCOは以前にも統合を試みたことがあるが、約46万人が加入するSACOは100万人以上の組合員を擁するTCOに飲み込まれたくはないのだ。とはいえ、両者の会員組合間には、公務員組合同士や教員組合同士などのように、協力関係がすでに深まりつつあり、統合も起きている。また、独立性を失わずに強固な協力関係を築く場合もある。例えば、SACO加盟の大卒技術者協会(CF)とTCO加盟の事務技術系職員労働組合(SIF)、スウェーデン労働組合総同盟(LO)加盟の金属労働者労働組合(メタル)は長年、密接に協力して経営側との団体交渉にあたってきた。

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