遵守されない最低賃金

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年1月

100人以上の使用者が、最低賃金法を無視している。

ダバオデルサー州雇用労働事務所の職員のネル氏は、大部分の違反者は商業と農業部門に属すると述べ、1999年度の違反者の名簿には、個人的雇用による家政婦も含まれると述べた。また、違反者は、罰せられていないが、彼らは「日々の生活手当を含む労働者の差額を支払うよう命令されている」と語り、賃金の未払い額は61万5000ペソに上ると発表した。

このダバオデルサー州では、10人以上雇用している企業は、1日133ペソの賃金と10ペソの生活手当てを、24ヘクタール以上のプランテーション農園は労働者に日額123ペソの賃金と10ペソの生活手当てを支払わなければならないが、多くの企業は平均して日額賃金80ペソでしかも生活手当ては支払っていないことが判明した。

不法雇用をしている使用者に対する雇用労働省の強力なキャンペーンにも拘わらず、多くの企業が労働者に正規の賃金を支払っていないという報告が今だにあるとネルは強調し、次のように説明した。「問題は、労働者からの訴えがなければ、検閲できないことだ。労働者が、手紙か電話で状況について知らせ、我々が査察に入ったとき、その訴えを保持しなければならない。労働者は仕事を失いたくないため証言するのを恐れている。そのため、我々が労働者を守り、彼らの危惧を除去しようと努力している。また、告訴人は、不法雇用の会社に対し証言をしなければならないから匿名の手紙では不十分だ」。

1999年10月8日雇用労働省は、ダバオデルサー州で使用者のフォーラム開いたが、ネルによると、これは最低賃金法の完全実施の時期が来たことを使用者側に伝える行政側のサインであった。

最低賃金法の違反の他に、この州のある企業は、規定の手当てを与えず解雇を行っていた。州雇用労働事務所の調停により、労働者は当然与えられるべき手当てを受け、1999年6月現在、75人が合計29万6000ペソの解雇手当を受け取ったとしている。

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