PAL争議で組合幹部が収賄
フィリピン航空(PAL)の地上職員組合バリエントス委員長が、1998年の労働協約(CBA)の票決に際しタン PAL社長から金銭を受領し、また、数人の幹部も、それぞれ1万ペソ受領していたと伝えられている。
PAL地上職員組合(PALEA)は約6500人の地上職を代表し、PALの3つの労働組合では最も大きい。他の2つはパイロットと機内職を代表する組合である。
賄賂の受け渡しは、1998年の PAL争議に際しタンがPALEAが労働協約の凍結に賛成する投票を確実にするために、バリエントスに多額の金銭を渡したという報道に続いて明らかになった。
これ以前に、バリエントスの妻ミランダは、夫は1998年 PAL争議の最中の7月にタンから約5千万ペソ受け取ったと告発したが、バリエントスはタンから5000万ペソを受領したことを否定し、「PALEAは、このことで影響を受けるべきでない」とした。
PALEAのストは600人のパイロットにより22日間行われた。PALEAは大規模な人員削減計画の一部として1万4000人の労働者の内5000人を解雇する経営者側の決定に反対していた。
ペナスPALEA書記長は、「恐らく、これは氷山の一角だ」と語り、PAL労働協約凍結に組合員を賛成させるためある委員は1万ペソ受領し、また、ある委員はそれぞれの条件により千ペソから5千ペソ受領したことが明らかになっていると述べた。また、PALEAの会議では、21人の執行委員は収賄事件を調査するよう投票した。
PALEAのカピリ委員は、「我々は長い間、裏切りがあったのではないかと疑ってきたが、その嫌疑は確認された」と述べた。リベラPALEA副委員長も1万ペソ受領したことを認めたものの、それは、バリエントスからの「借金」だと説明したが、カピリ委員は、「彼は、労働協約凍結に同意して1万ペソを受け取った」と語った。しかし、バリエントスはその金は自分自身のお金だと説明している。
PALEAの幹部は、バリエントスの辞職または、調査期間中の離職を発議した。1999年9月3日、バリエントスは、「私は個人的な問題で職を離れる」と発表し、個人と労組の問題とは関係ないと強調した。
PALの労働協の凍結の提案は、1998年10月2日票決されたが、この時、タン社長は、退職に際しそれぞれの組合員に6万株を提供し、労働者側にも経営再建計画委員会に3つの席を与えるという提案をし、PALEAの61%の組合員は同意し、34%は拒否した。
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