セクシャル・ハラスメントに関する指針、発表される

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年11月

人的資源省は8月18日、セクシャル・ハラスメントの定義を盛り込んだ「職場におけるセクシャル・ハラスメントの防止と撲滅に関する行為準則」と題するガイドブックを発表した。公共・民間部門の使用者に対し、セクハラ問題に対処するメカニズムを職場内に設置する際に指針として活用するよう促していく。

指針によるセクハラの定義は次の通り。

  • 言葉によるハラスメント・侮辱的な、またはそれを暗示するような声や言葉を発する。
  • 仕草によるハラスメント・性的なメッセージを発するような仕方でにやにや笑ったり、じろじろ見たり、あるいは性交渉を暗示するジェスチャーを見せる。
  • 視覚的ハラスメント・身体の性的な部位を露出したり猥褻画を見せる。
  • 心理的ハラスメント・望まれていない場への参加を執拗に迫る。
  • 肉体的ハラスメント・不適切なやり方で身体を触る、叩く、摘む、撫でる、キスする、愛撫する。

以上に該当する行為を行った者に対しては、労使関係法に基づいて、もしくは使用者によって、罰される可能性がある。深刻さの度合いに応じて、文書による警告、最大7日の無給停職処分、最大1年の月給支払延期、降格、略式解雇を受けることもある。

リム人的資源大臣は指針を発表するにあたり、マレーシアではセクハラ問題がきわめて深刻であるとの認識を示した。またセクハラが民間部門に限られているのかと問われて、「政府機関内でもセクハラ事件が発生しており、被害者が訴え出ることを恥ずかしがっているために未申告のままになっている婦女暴行事件さえあると聞いている」と答えた。

指針とは別に、同省は労働局内に特別チームを設置し、セクハラの苦情に応対したり、被害者に対してカウンセリングを提供していく。

今回発表された指針は、労働局長が議長を務める全国技術審議会(National Technical Committee)が準備した。同審議会は、人的資源省、厚生省、女性問題局、マレーシア使用者連盟、マレーシア労働組合会議、マレーシア農業生産者協会、マレーシア製造業者連盟、NGO、高等教育機関の代表で構成されている。

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