ハンガリー/ブダペストの好都合な事業環境特性、その評価は中くらい

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年9月

週刊誌「ビジネス・ジャーナル・イン・ハンガリー」が事業社会について調査した最近の調査によれば、ハンガリーの首都の魅力は「平均的」であると評価された。

調査に当っては、ハンガリーの主な23都市における最高経営幹部が面接調査を受け、7分類項目に対して10点法を用いて評価するよう依頼された。ブダペストは、調査対象となったほとんど全ての類別評価で1位を占めている。ハンガリーの都市の事業環境に対する評価に用いられた7分類による評価項目は以下の通りである。

すなわち、

  1. 事業用整備基盤(ブダペストは北西部のジェール市と中部のケチケメート市より上位の9点)
  2. 文化・娯楽に接する機会(ブダペストは北西部のエゲル市と北西部のジェール市より上位の8点)
  3. 将来的(今後5年間)な発展可能性(ブダペストは東部のデブレツエン市と北西部のジェール市より上位の9点)
  4. 地方労働市場(中西部のセーケシュフェヘールバール市が最高点の9点
  5. 都市の一般的事業環境(中西部のセーケシュフェヘールバール市が最高点の9点で、ブダペストは2位、北西部のジェール市は3位)
  6. 技術的整備基盤(北西部のジェール市が8点で、ブダペストは7点)
  7. 好都合な事業環境にある地方自治体(北西部のジェール市が8点で、ブダペストはたったの6点)

ブダペストに与えられたこの6点という評価は、調査対象になった23都市のなかで首都ブダペストが13番目でしかないことを示している。しかしながら、この調査を実施した専門家は、ブダペストが社会・経済基盤の整備に総予算の30%を注ぎ込んでいることに注目した。

この調査の結果に関して以下の点には注意を要する。すなわち、国民所得の40%がブダペストで生産され、1997年までにブダペストに投資された外資による直接投資の割合は60%になっている(170億米ドル)。ブダペストの国内総生産は1人当り120万ハンガリアン・フォリンツ(約100万円)で、これは2番目に裕福な州である「ジェール、モソン、ショプロン」を含む州より高い。この国内総生産で第2位の州の1人当り国内総生産は約50万円で、「ペシュト州」の指数は、社会・経済基盤がブダペストとほとんど変わらない位に発達し、7万件からなる事業体がこの地域で事業運営に当っているにもかかわらず、僅かに30万円程度でしかない。

また驚くに値する点は、食品加工業の50%と事業目的の農業の70%がブダペストに集中していることである。ブダペストが最も緊急を要する開発課題の一つは公害処理問題で、特に汚水または排水処理問題である。

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