PAL3000人の人員削減を計画

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年9月

削減数 

エスピリツ財務長官は、8000人の労働者を抱えるフィリピン航空(PAL)の再建について次のように語った。

「規模の縮小は、今年中に着手しなければならない」「理想的な人員削減数は、3000人」エスピリツ長官は、PAL職員の子会社への移籍と当初計画による退職手当は、解雇の苦痛を軽減させ、人員削減は国家を代表する航空会社を存続させるのに必要だと語った。

ザパンタPAL会長は、業務の削減規模は、非主要業務の削減に大きく依存し、「広範囲な削減」はないだろうと述べている。PALの従業員は、昨年の22日間スト時には1万5000人だったが、現在8000人を僅かに超える程度にまで減少している。6月3日労働省は、パイロットのストは違法だと発表し、政府の業務復帰命令を無視した従業員の契約を終了させるPALの決定を支持した。

財務内容の変化

最近の財務内容の変化を見てみると、(1)PALの最大出資者であるタン氏とそのグループは、PAL存続のために新たに2億ドルの資金を共同出資した。(2)PALの法人幹事エドアード・R・セニザは、8つの国内外の企業が、6月4日午前に7.6億、PAL株を申し込んだと、証券取引委員会(SEC)に提出した証明書の中で述べた。(3)タン氏のグループ企業のバウチスタ主席財務担当は、PALの株主であるタン氏が所有する5つの会社は1億ドルを提供し、一方、香港の投資会社トップウエルス社は、7000万ドルを提供したと述べた。(4)ザパンタ会長は、マックスエル・ホールディング社とリックマーク・ホールディング社が、それぞれ2000万ドルと1000万ドルを投資したと述べた。 新規の資本がなかったら、PALは負債を返済するのに資産の売却を迫られるところだった。 新規の資金により、タン氏の株式保有率が70%から53.7%に下がったが、筆頭株主の地位は維持している。

新規の投資家は、現在PAL株の35.15%を占める。労働者の持ち株比率は2.71%になり、小額株式保有者は4.19%になる見込みである。SECの対応 2億ドルの資本注入は、6月4日以前の債権者の支払条件を弁済させるとヤサイ(SEC)委員長は記者会見で述べ、その資金はPALの再建計画に沿って支出されると語った。 この再建計画は、PALの負債22.4億ドルを返済し、向こう2年間以内に利益を回復すること、メンテナンス、エンジニアリング、ケータリング部門などの間接部門の売却、削減を計画し、PALの平均株価を5ペソから1ペソに減額することを予定している。

ヤサイSEC委員長は、SEC調査委員会では、PALの再建計画を監視する常任管財人を指名すると述べ、「管財人は、計画からの些細な逸脱や計画の実効性についての査定をSECと債権者に通知する責任を負う」と語った。 SECは、PALの長期見通しについては慎重で、エストラーダ大統領の「オープンスカイ計画(アジアの航空会社に、より多くの乗客をフィリピン線から搭乗できるようにしたもの)」の見直しを重視しており、ヤサイSEC委員長は、「PALが存続可能で、収益性のあることを示さなければならない」と語った。

一方、地上作業員の労働組合であるPAL従業員労組の20人の組合員は、解雇とスト禁止に反対して、6月4日SECにピケを張った。

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