外国投資企業で遵守されない最低賃金

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年9月

外国投資企業では最近の労働争議の70%が給料に関するものであった。また最低賃金違反が多発しているため6月上旬、労働・傷病兵・社会問題省(MoLISA)は給料支払いに関する施行細則を間もなく政府に提出すると発表した。

この施行細則はベトナム人および外国人労働者の給料に関するものである。MoLISA給料局上級職員によれば、同施行細則の目的は、特に給与体系に端的に現れている、多くの外国投資企業のひどい不合理と不平等とを取り除くことである。

MoLISAの調査によれば外国投資企業の4.5%が現在35米ドルの法定最低賃金を下回る賃金を支払っていた。違反していた会社は衣服製造業、皮革なめし業、製紙業、そして農業に多い。これらの部門で働く27万人の労働者は外国投資企業部門の総労働者の約20%を占める。これに対し、石油、電気製品、輸出向け加工業などで働く労働者は、衣服製造業、皮革なめし業、旅行業、サービス業などで働く労働者の3倍から5倍の賃金を得ている場合が多い。

合弁企業の中にはベトナム人と外国人とが同じ地位にあり同じ責任を負っているにもかかわらず、外国人がベトナム人の5倍から10倍の給料を受け取る会社もある。MoLISAによると、平均すると同一社内の給料の最高額は最低額の約26倍で、中には96倍に達することもあり、格差がしばしば大きすぎると警鐘を鳴らしている。

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