第1四半期の解雇者数、減少

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年8月

1999年第1四半期の解雇者数は1709人で、前年同期の4309人からかなり減少した。

もっとも、経済危機がシンガポールに波及する以前の1996、97年の第1四半期に比べると依然多い。全国労働組合会議(NTUC)によると、同年の第1四半期に解雇された組合員はそれぞれ678人と568人で、今期の約3分の1であった。

一部金融アナリストは1999年の経済成長率が政府予測のマイナス1%~1%を上回ると予想しているが、NTUC は解雇者数は増大すると警告している。NTUC によると、4月1日以来、つまり第2四半期に入ってから、さらに348人の組合員が解雇されており、3社が各組合に対し近々計138人を解雇すると通告している。これらの解雇は、1998年11月にコスト削減策が発表されて以来、組合を承認している770社の従業員17万7000人の総賃金(ボーナスを含む)の上昇率が低下したにもかかわらず、断行されるという。

リム・ブーン・ヘン NTUC 会長は1999年も引き続き賃金抑制を勧告するよう全国賃金審議会に要請した。

求人広告、増加に転じる

求人広告量(注)が3月に増加に転じた。増加率は3%(対前年同月比)とわずかだが、増加に転じたのは15カ月ぶり。経済危機の影響で求人広告量は1997年11月以来減少を続け、1998年6月にマイナス67%、1999年2月にマイナス45%を記録した。

3月の増加率を2月と比較すると、非管理職については2月がマイナス74%だったのに対し、3月はマイナス3%に改善している。また、管理職は2月のマイナス36%から3月のプラス11%に、製造業は2月のマイナス51%から3月のプラス1%に、サービス部門は2月のマイナス43%からプラス3%に、それぞれ改善している。

EOコンサルティング・サービシズは、3月のは人事異動にともなう求人活動が活発になるためと分析しているが、経済に対する信頼の回復も反映しているのではないかと見ている。ただ、景気の好転を確信するには第2四半期の結果を見る必要があるとしている。

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