不完全就業者に関する調査結果

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

オーストラリアの記事一覧

  • 国別労働トピック:1999年8月

オーストラリア統計局(ABS)は不完全就業者に関する調査結果を公表した。それによると、1998年9月時点の15歳以上の雇用者数は867万7200人で、このうちパートタイム労働者はおよそ220万人であった。パートタイムで働く労働者の中で50万2800人がより長い時間働きたいと答えた。今回の調査は、この50万2800人の不完全就業者を対象に行われた。

不完全就業者に関する調査は1985年に初めて実施されたが、それ以降、不完全就業者の数は増加し続けている。

1998年9月時点で、23%のパートタイム労働者が「より長い時間働きたい」と答えた。男性の場合、長く働きたいと答えた割合が35%で、女性の19%よりかなり高くなっている。労働力人口に占める不完全就業者の割合は5.3%で、1997年9月の5.6%よりは低下した。1997年のこの記録は1985年以来最も高いものであった。

不完全就業者の特徴を見ると、年々、男性も増加しているが、まず女性がその6割を占めている点である。さらに不完全就業者の3分の1以上(36%)が25歳未満であること、8%が1人親であり、57%が学卒後の資格を持っていないこと、63%がフルタイムの仕事を望んでいることなどが指摘できる。

不完全就業者の実労働時間については、39%が0~10時間、32%が11~20時間、19%が21~29時間、10%が30時間以上と答えている。

不完全就業期間の中位値は男性が25週間、女性が26週間であった。

より長い労働時間の仕事を探している28万9800人に対しては、求職経験について質問している。具体的には、労働時間の長い仕事が見つけられなかった主要な理由について、24%が「希望の仕事がなかった」、13%が「全く求人がなかった」、10%が「年齢的な問題で断られた」、9%が「求職者が殺到した」、と回答している。時間が合わないという回答は女性で目立っている。

求職方法としては、81%が「使用者に接触」、66%が「新聞の求人情報」、37%が「センターリンクに登録」、33%が「友人や親戚に連絡」と答えた。

1999年8月 オーストラリアの記事一覧

関連情報