欧州雇用協定で労働社会相理事会

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年8月

労働社会相理事会が1999年5月25日に開催され、欧州会社法案の従業員経営参加条項、および欧州雇用協定などに関する議論が行われた。

欧州会社法については、加盟国14カ国は、議長国ドイツの提示した従業員経営参加条項の妥協案を受け入れる意向を明らかにしたが、スペインのみがそれを拒否する姿勢を示した。加盟国14カ国は、政治的妥協を行うよう再考を迫ったが、スペインはそれに応じなかった。この問題は29年間も交渉のテーブルに載せられており、ようやく合意が達せられると思われていただけに、関係者の失望感は大きい。

他方、欧州雇用協定については、議長国ドイツの提示した協定案が議論された。協定案では、雇用状況を改善するのには、インフレのない強力かつ持続的な経済成長が必要不可欠であると強調されている。これは、雇用促進のための包括的なアプローチの必要性を訴えたウィーン欧州理事会の結論を思い出させる。

協定案は、次の三つの主要な柱からなる。つまり、(1)賃金、財政政策、金融政策との間の補完的な相互作用、(2)調和のとれた雇用戦略の開発および実施、(3)競争力の向上と商品・サービス・資本市場の機能の改善である。さらに、協定案は、EU レベルおよび国家レベルにおけるソーシャル・パートナー間のより強い協力を求めている。

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