雇用促進フェアに求職者殺到

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年7月

ノースイースト地域開発評議会(CDC)と労働力省が3月23日に開催した雇用促進フェアで、求人700職に対し5000人が集まった。フェアは在職中の転職希望者(ジョブ・ホッパー)を除外するために平日に開催された。JITエレクトロニクス社の生産オペレーター、NTUC フェアプライス・スーパーマーケット・チェーンのレジ係、X プレス社の情報テクノロジー・プログラマーなど、様々な職種の募集が行なわれた。

また、4月10日にアン・モ・キオーチェン・サンCDC と労働力省が開催したフェアでは、22の使用者の募集する2000職に対して5000人の求職者が集まった。注目されるのは、求職者の半数以上が20代前半で、しかも多くがディプロマや学位の保持者であったことである。かつては雇用促進フェアに集まる求職者の大半が中高年労働者だった。

さらに5月には、沖合の石油・石油化学・化学工場の建設・メンテナンスを専門とする請負業グループが求人フェアを開催する予定である。同グループは、パイプ敷設工、溶接工、機器敷設工、技術者、塗装工、索具装着工、足場組立工など少なくとも1000人のシンガポール人労働者を採用する計画だ。

これらの求人は新規採用者がオン・ザ・ジョブ・トレーニング(職場内教育)を受け、国家専門証書3級(NTC-3)など技能資格を取得できる点で魅力的である。シンガポール加工産業請負業者協会(Picas)は訓練資金の提供について全国労働組合会議(NTUC)から合意をえている。

労組を頼る管理職

1998年に解雇された専門職、管理職、経営幹部・技術幹部は5830人。こうした管理職の解雇者数が増えていることを背景に、全国労働組合会議(NTUC)に一般支部組合員に属する管理職員からの要望・問い合わせが増えている。

とくに、(1)使用者による不当行為を申し立てる際の労働力省との交渉において管理職の労組代表を認める、(2)給与が1600シンガポールドルを上回るため雇用法の対象外となっている管理職が支援を受けられやすくする、(3)技能向上・訓練の面で支援を増やし、雇用持続に資する訓練コースへ資金援助するなどを要望している。

NTUCのヘン・チー・ハウ書記長補佐によると、NTUCは政府や使用者と積極的に協議し、管理職員の不満を取り除く方法を探っているという。

一方、下級管理職から上級管理職まで2400人が加入しているシンガポール人的資源研究所は、既に解雇された同会員を支援する協同組合を設置する方針を固めた。

提供を予定しているサービスには、住宅ローン返済や在外子弟の教育費の負担を軽減するローンの提供、解雇された会員の「一括売り込み」による再就職支援、在職会員への失業保険加入の奨励など。

リム同所長によると、一般に若い労働者の方が好まれるため、46歳以上の幹部職員にとって再就職は困難。研究所はホームページを作成して、求人情報や求職中の会員についての詳細を掲載する予定だ。

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