MTUC消費者運動、ワーカーズ・ショップを開設

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年5月

マレーシア労働組合会議(MTUC)の主宰する消費者団体、労働者消費者運動は消費者に安価な日用品を提供する店舗を5月1日にペタリン・ジャヤにあるMTUC本部に開設する。店舗名は「ワーカーズ・ショップ」。

労働者消費者運動は、流通業者による生活必需品の不当な価格引き上げに対抗するため、MTUCの呼びかけにより結成され、1998年10月27日に団体登録を完了している(本誌1998年3月号参照)。ほかにCuepacsやマレーシア消費者協会が参加している。

2月7日に開催された発足式で委員長に選出されたザイナル・ランパクMTUC委員長は「今よりも安い価格で商品が提供できることを流通業者に示すつもりだ。話ばかりで行動が伴わないのでは意味がない」と店舗開設の抱負を述べた。同委員長によると、労働者は過去1年間に労使交渉で譲歩を余儀なくされ、賃金カットに直面し、ボーナスも与えられていない。

傘下労組の所属する企業にはマジュイカン、ファマ、ベルナスなど日用品の製造業者や電気機器メーカーなどがあり、そこから直接商品を買い付け、適正価格で販売する予定だという。消費者が同店での購入を優先すれば、流通業者は価格を引き下げざるを得なくなるが、そのためには店舗の全国展開が必要だ。これに関し同委員長は、第1号店舗の成功にかかると答えた。

同委員長は会員数を1999年末までに30万人まで拡大したいとしている(現在、MTUCとCuepacsには合計74万人の労働者が加盟)。年会費15リンギを支払えば会員になれる(生涯会員になるには100リンギを支払う)。発足式では以下のことも決定された。

  • 国内産業・消費者問題省に対し、流通業者による不当利得行為に対する規制を強化するよう働きかける。
  • 農業省に対し、農業関連産業の育成、特に食用鶏・家畜用飼料の増産対策をとるよう働きかける。
  • 第一次産業省に対し、国内市場の調理油用オレインの供給を増加するよう働きかける。
  • 政府に対し、救急医療などの基礎的サービスの民営化を見合わせるよう働きかける。

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