労働者による年金基金選択

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年4月

労働者を対象とした新年金規則によって、年金運用先の選択権を初めて与えられたのは民間部門で働く28歳以上のLO加盟組合員92万人である。この92万人のうち実際に選択権を行使したのは44万2000人であった。LO組合員がよほど異なった選択をしない限り、SAFとLOの共同年金基金であるAMFが引き続きその資金を取り扱うことになろう。

1998年秋には、各種の保険会社が労働者の注目を集めようとして、広告やテレビ・コマーシャルをしきりに行っていた。労組関連の保険会社であるFolksam社とLOは組合員勧誘を必死に行ったが、LO組合員の大半は同社を選択しなかった。選択権を行使した者の多くはAMFを選んだようである(労働者の選択状況に関する数値はまだ発表されていない)。LOは労働者の選択期間の延長を提案したが、締切日は1998年12月31日のまま変更されなかった。

AMFに代わる基金を選択する機会を与えることは、今後段階的に同様の機会を与えられるであろう国民にとっても良い訓練となるはずである。つまり1999年以降、全国民は報酬比例部分年金(ATP)の新規積立部分(総額賃金に対して課される18.5%の保険料のうちの2.5%に相当する部分)について同様の選択権を持つことになる。

年金については多くの議論が展開されてきた。先日も今後20~30年間は続くものと予測される退職者数の堅調な伸びに対応するために、退職(年金受給開始)年齢の70歳への引き上げが再び提案された。この案はあくまで「原則的」にそうするというもので、現時点での退職者の平均年齢が60歳以下である点を考慮している。

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