調査対象となって

情報解析部長 南 和男

昨年 10月中旬に東京都から調査協力依頼の葉書が届いた。調査名は「道路交通センサス」という国土交通省が調査元の承認統計で、調査員が調査用品一式を持参し後日に調査票を回収する訪問留め置き方式により 11月に調査を行いたいので協力を願いたいというものであった。国勢調査以外で国が実施する統計調査の対象となる初めての経験である。

どのような調査か

調査員が配布した調査用品の中の調査解説のパンフレットによると、調査は「一般交通量調査」と「自動車起終点調査」から構成されており、「一般交通量調査」は様々な地点の道路状況(車道・歩道の幅、車線数、交差点の数など)と交通量(車種別・時間帯別・方向別の通過車両数)を調べるものと朝夕の通勤渋滞時における車両の平均速度を調べるもので、「自動車起終点調査」は車の所有者や使用者に対する車の利用状況についてのアンケート調査と県境での車の利用状況の聞き取り調査からなるものであった。このうち、我が家(正確には車が対象)が対象となったものは、昨年 11月の調査指定日である平日と休日における車の利用状況についてのアンケート調査である。

調査事項は

調査票のフェイスシートでは家族の年齢・職業などのほか、事前に決められた調査指定日における走行前後の走行距離の記入が求められていた。車の利用状況については、調査指定日にかかる移動について、自宅を出てから自宅に戻るまでの全ての移動状況を記入させるもので、車で訪れた施設の種類・駐車場所の種類・乗車人員・出発時刻・到着時刻・移動目的・移動距離・高速道路又はフェリーの利用の有無などが調査事項である。

調査票の記入にあたり

今回の調査指定日での車の利用は買い物程度であったため、平日の移動距離は6キロ程度・休日は 20キロ程度とわずかであったが、困ったのは出発時刻・到着時刻と移動距離の記入であった。近場への利用であったことと、出かける前に調査指定日であることを忘れていたため、車の利用前後の時刻や走行距離について記録するのを忘れていた。事前にメモなどを用意しておけばよかったのだが、幸いにも帰宅直後に調査のことを思い出したので、記憶がまだ新しい間に運転状況を思い出して、およその出発時刻と到着時刻、走行距離メーターから推測できる移動距離を記入した。

調査指定日に遠出をしなかったため大きな支障なく記入することができたが、その指定日前後に車で遠出の旅行などをした場合には、自宅を出てから自宅に戻るまでの全行程について、目的の施設ごとに施設の概要・到着時刻・出発時刻・移動距離・乗車人員などの記入が求められているので、調査票に記入するためには、調査票を持参して目的地に到着するたびに記入するか、こまめに記録を取っておくしかない。

調査への協力意識を高めるためには

日頃、統計調査をする側にあるが、調査される側になった感想としては、今回のような世帯調査を実施する場合、実施主体が信頼の置ける行政機関であったとしても、(1)調査実施前に葉書などで事前に調査予告が行われること、(2)費用はかかることになるが、調査票の提出にあたり郵送ではなく訪問・回収方式であること、(3) 調査票の記入方法が複雑でなく、また、調査項目数が少ないこと、(4) 調査事項への記入にあたり記録を取る必要がないこと、などについて配慮されていると調査への協力意識が高まると思われる。

付け加えれば、結果の還元があればさらにいいのだが、その点確認しなかったので、今回の調査結果が自宅に送付されるかはわからない。また、調査対象をどのように選んだかも参考に聞いておくべきであった。

( 2006年 6月 7日掲載)