UIゼンセン同盟との再編統合の協議再開を決定/JSD臨時大会

(2011年9月21日 調査・解析部)

[労使]

百貨店やスーパーなどの組合でつくる、サービス・流通連合(JSD・八野正一会長、約22万人)は20日、都内で結成以来初めてとなる臨時大会を開催し、UIゼンセン同盟との産別再編統合に向けた協議を再開する方針を決定した。

「新産別を結成したいという不退転の決意」の方針を提起

JSDとUIゼンセン同盟の再編統合問題については、2005~08年にかけ検討が進められ、トップダウン方式で新しい産別の姿を示そうとしたものの、主に会費と名称の問題で溝が埋まらず、共同文書の確認という形で不調に終わった経緯がある。

2001年に商業労連・チェーン労協・百貨店7労組の統合により結成されて以来の懸案である「一産業一産別化の実現」や「130万人(流通だけでも70万人)の組織化を通じた、産業の社会的・政治的地位の向上」に向け、昨年9月に本部は改めて、「産別再編統合の課題を後の世代に送ることなく決断することが求められている」(八野会長)と提起。6月の定期大会とその後の職場討議を経て、UIゼンセン同盟との協議再開の方針を今回の臨時大会で決めることになった。

臨時大会では執行部が、「新産別を結成したいという不退転の決意」で、先の定期大会(注1)に提起した方針案を改めて説明。(1)再編統合はあくまで「新産別結成方式」とする(2)妥結権を会長が握るUIゼンセン同盟の春闘における「統一闘争」方式については、JSDとしてそこまで本当に踏み込めるのか、新たな「統一的闘争」のあり方はないのかを議論する(3)組織内議員を有し選挙活動等の動員もあるUIゼンセン同盟の政治活動の目的は、産業政策の実現のためであり、JSDも定期大会で「新たな政治活動の考え方」を決定した(4)両組織とも有期組合員比率が4割超にのぼる非正社員の最大産別としての政策を検討する(5)大同団結のメリットが活きるような部会制等の組織構造を求める(6)月額800円ありきの会費の議論はしない(7)新産別の名称については本来的に刷新すべきである――といった立場で、協議を再開したい意向を強調した。

協議再開については賛成多数で可決

大会討論では、本部提案に対して明らかな反対意見は出なかったものの、「統一闘争と統一的運動の違いを本当に乗り越えられるのか」「JSD会費(500円)との水準の大きな開きは何に依るのか」「選挙活動への参加は難しいが大丈夫か」――などのさまざまな不安が表明された。また、「(吸収ではなく)あくまで対等な立場での新産別結成になるよう、対外的な見え方も含めこだわってもらいたい」「名称など外見の問題は早急に片づけ中身についての話合いを深めて欲しい」――といった要望もだされた。

採決では、反対0、態度保留13の賛成多数で執行部方針を可決した。

この決定を受けJSDは、大会終了後速やかに、UIゼンセン同盟(注2)との間で「再編統合推進委員会」を設置し、協議を開始する。前回、協議が物別れに終わった4年前の新産別の姿(案)の完成に向けた議論を再開するとともに、結成時期等を確定する。その内容は来年の定期大会に提起され、決定された後は、各単組での新産別参加の確認や規約改正、経営側への説明等を行った上で、いまのところ2013年秋を目途に解散大会を開き、新産別が結成される見込みとなっている。