■□――【メールマガジン労働情報/No.2110】
高市首相「物価上昇に負けないベアを」、2026春季労使交渉について意見交換/政労使会議 ほか
―2025年11月28日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】高市首相「物価上昇に負けないベアを」、2026春季労使交渉について意見交換/政労使会議 ほか
【統計】9月の基調判断は「下げ止まり」で据え置き/景気動向指数の改訂状況 ほか
【動向】派遣社員の「賃上げ・給与の満足度」実態調査を実施/民間調査 ほか
【企業】日本郵政、クマ対策で通勤柔軟化/手段や経路変更、安全確保へ
【法令】労働関係法令一覧(2025年10月公布分)
【海外】週4.5日制実施企業に奨励金を支給/京畿道と全国規模のモデル事業
【イベント】女性のエンパワーメントセミナー「あらためて知りたい 私のからだ 私の健康」を開催/東京ウィメンズプラザ ほか
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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズNo.296
『若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状(4)―令和4年版「就業構造基本調査」より―』
総務省『就業構造基本調査』個票の二次分析を通じて、若者の雇用状況の変化とその背景を探ります。
全体として若年者雇用は改善の方向にありますが、若年非求職無業者であるニートは高止まりしていま
す。また過去の二次分析によれば、男性については収入が高いほど有配偶率が高く、今回の分析につい
ても同様の傾向が確認されました。ただし、5年前に比べると全体として有配偶率は低下し、低収入層
だけでなく高収入層でも有配偶率が低下していました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2025/296.html
◇ディスカッションペーパー25-08
『わかものハローワークにおける若年求職者への支援の実際―職員へのヒアリング調査に基づいた支援方法の質的分類―』
若年求職者を対象とする就職支援機関「わかものハローワーク」の個別支援の特徴と具体的な支援方法
を、キャリアカウンセリング・プロセスおよびマイクロカウンセリング技法の枠組みで整理し、今後の
効果的な若年就職支援のあり方を検討する上での基礎資料とすることを目的としています。
https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2025/25-08.html
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【JILPTからのお知らせ】
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◇『ユースフル労働統計2025―労働統計加工指標集―』を公開しました!
既存の労働統計から新しい統計指標を計算する方法と結果を紹介する資料集です。
統計をうまく組み合わせ加工することで、表面には現れない事実が明らかになるような、より的確で有用な指標
を作ることができます。 従来から政府の白書等でも、既存の統計を組み合わせた様々な経済分析が行われてい
ます。本書で取り上げる手法は、そこで採用された分析手法に基づくもの、或いはそれらをヒントに自主開発し
たものです。(11月26日公表)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2025/index.html
◇『日本労働研究雑誌』12月号を刊行しました!
特集 賃金の現在地を探る─変わったのか,変わっていないのか?
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2025/12/index.html
◇『ビジネス・レーバー・トレンド』12月号を公開しました!
『ミドル・シニアの労働者の健康』
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2025/12/index.html
★労働政策フォーラム「企業におけるデジタル技術の活用と人材育成」 申込受付中!
本フォーラムでは、デジタル人材の確保・能力開発に関する研究成果を提供するとともに、デジタル技術の活用
に取り組む企業の事例を交えながら、企業組織におけるデジタル活用と人材育成の現状や課題について議論し、
未来への羅針盤を探ります。参加無料。
第1部(研究報告・公的機関における支援の取組) 2025年12月24日(水曜)~2026年1月8日(木曜) *オンデマンド配信
第2部 2026年1月8日(木曜)13時50分~16時30分 *ライブ配信
方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
<登壇者>
宿谷慶 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) 公共職業訓練部 調査役
澤田知之 埼玉県 産業労働部 産業支援課 創業支援・DX推進担当 主査
藤澤優 株式会社デンソー 人事企画部 担当係長
石川勤 石川樹脂工業株式会社 専務取締役
上野修吾 株式会社ボナファイド 代表取締役社長
大嶋寧子 リクルートワークス研究所 研究センター第1研究グループ長・主任研究員
藤本真 労働政策研究・研修機構(JILPT) 副統括研究員
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20260108/index.html
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【行政】
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●高市首相「物価上昇に負けないベアを」、2026春季労使交渉について意見交換/政労使会議
政府は25日、政労使会議を開催し、2026年春季労使交渉について意見交換を行った。「総合経済対策」(11月21
日、閣議決定)において、物価上昇を上回る賃上げと家計の実質所得の確保、価格転嫁の徹底、省力化投資促進、
重点支援地方交付金等により、企業の継続的・安定的な賃上げの環境整備を進めるとする方針が示されたことに
ついて、「政府の「継続的に賃上げできる環境整備」に期待」(経団連)、「企業が継続的かつ安定的に賃上げ
できる環境を整えることが政府の役割とする考え方は共通の認識」(連合)等の意見が示された。
議論を踏まえ首相は、「賃上げを事業者の皆様に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整備する」という政
府方針への理解が得られたとするとともに、「物価上昇に負けないベースアップの実現」に向けて、労使の代表
らに協力を求めた。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/seiroushi/dai1/gijisidai.html
▽総合経済対策における賃上げのための政府の取組
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/seiroushi/dai1/shiryou1-1.pdf
▽経団連会長提出資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/seiroushi/dai1/shiryou3.pdf
▽連合会長提出資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/seiroushi/dai1/shiryou4.pdf
▽首相官邸ウェブサイト
https://www.kantei.go.jp/jp/104/actions/202511/25seiroushi.html
●景気は「緩やかに回復」の判断を維持/11月・月例経済報告
政府は26日、11月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は「景気は、米国の通商政策による影響が自動車産
業を中心にみられるものの、緩やかに回復している」との前月判断を維持した。個別判断は「輸入」を「持ち直
しの動き」から「おおむね横ばい」に変更、「国内企業物価」を「このところ横ばい」から「このところ緩やか
に上昇」に上方修正した。雇用情勢は、前月と同じ「改善の動きがみられる」。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2025/1126getsurei/main.pdf
▽関係閣僚会議・首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/104/actions/202511/26getsurei.html
●「職場におけるハラスメント対策シンポジウム」を12月10日に開催/厚労省
厚生労働省は、ハラスメントのない職場づくりを推進するため、年末に向けて業務の繁忙等によりハラスメント
が発生しやすいと考えられる12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、集中的な広報を実施する。
その一環として、「職場におけるハラスメント対策シンポジウム」を12月10日(水)にオンラインで開催する。
改正労働施策総合推進法(カスタマーハラスメント対策)に関する行政からの説明や、業界団体による取組事例
紹介、パネルディスカッションを予定。事前申込制。参加無料。
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/symposium
●「子育てペナルティ」を企業人事データから分析/財務省広報誌「ファイナンス」が講演内容を掲載
財務省の広報誌「ファイナンス」は20日、「昇進システムと男女間賃金格差」をテーマにした講演内容を掲載
した。第一子の誕生を契機に女性の収入が大幅に減少し、男女間賃金格差が拡大する「子育てペナルティ」に
ついて、日本の大手製造業企業の人事データを用いて、その大きさと要因を分析した結果が示された。分析に
よると、子どもが生まれてから10年間の平均で、子どもが生まれなかった場合と比べて男女間賃金格差が55%
拡大するなどの結果が得られた。
https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/f10_49.pdf
▽PRI Open Campus/財務総研の研究・交流活動紹介
https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/index.html
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【統計】
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●9月の基調判断は「下げ止まり」で据え置き/景気動向指数の改訂状況
内閣府は26日、9月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。景気の現状を示す「一致指数」は
前月差1.8ポイント上昇の114.6(速報値と同値)で、3カ月ぶりの改善。
基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、下げ止まりを示している」で、前月から据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202509rsummary.pdf
▽統計表
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
●労災の死亡者数8.1%減、休業4日以上死傷者数1.0%減、労災発生状況11月速報/厚労省
厚生労働省は26日、2025年の労働災害発生状況について(11月速報値)を公表した。死亡者数は524人で8.1%
減(前年同期比、以下同じ)。業種別では、林業を除き前年同期から減少。陸上貨物運送事業の25.3%減が最
大、製造業20.2%減が続く。休業4日以上の死傷者数は9万9,636 人で1.0%減、業種別では、第3次産業の
0.6%増以外は減少。陸上貨物運送事業5.5%減、建設業3.4%減など。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/25-11.pdf
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【動向】
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●派遣社員の「賃上げ・給与の満足度」実態調査を実施/民間調査
エン・ジャパンは26日、「派遣社員の賃上げ・給与の満足度実態調査」結果を発表した。派遣社員の約3人に
1人が「昨年より時給がアップした」と回答、時給の上昇幅は「50~99円」32%が最多、「300円以上」の大幅
アップを実現した人も11%にのぼった。時給アップの理由としては「時給の高い仕事への転職」が最多だった。
「最低賃金の上昇が時給アップにどの程度影響するか」との問いには「大きく影響」14%、「少し影響」26%、
「影響はしない」61%、の結果となった。影響なしの理由は「最低賃金を既に上回っている」など。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2025/43832.html
●女性記者を対象にアンケート/民間調査
一般社団法人日本女性記者協会は22日、「ニュースルームの多様性にむけた女性記者の労働環境に関する調査
(女性記者アンケート)」結果を発表した。
同調査は女性記者271人を対象に意識や行動のほか職場に対する認知と評価などを尋ねた内容となっている。
「昇進の機会に違いはあるか」との問いに45.8%が「男性記者の方が昇進機会が多い」と回答、「性別に関係な
い」は32.9%、「女性記者の方が昇進機会が多い」は1.4%だった。同協会は、自由記述の内容とあわせた分析
結果を最終報告書にまとめる予定。
https://jwja.jp/n/n7b9140cd75ed
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【企業】
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●日本郵政、クマ対策で通勤柔軟化/手段や経路変更、安全確保へ
日本郵政が、全国で相次ぐクマによる人身被害への緊急対策として、従業員の通勤手段や経路の変更を柔軟に行
えるようにしたことが20日、分かった。グループの日本郵便やゆうちょ銀行、かんぽ生命保険などの全従業員が
対象といい、安全確保のため実施する。
従業員が道中でクマに遭遇する恐れがあると判断した場合、会社に届け出ている通勤手段を所属長への伝達のみ
で柔軟に変更できるようにした。公共交通機関から自家用車への変更などを想定している。変更しても通勤手当
の返納は不要。経路は、所属長への伝達もせずに変更可能とした。
日本郵政は「全国で勤務する社員が安心して通勤できるよう、グループ統一で安全確保措置を講じた」と説明し
ている。グループの日本郵便は約2万の直営郵便局を全国に構えており、一部は最近クマが多く出没している地
域にある。今月5日には、自治体や警察がクマの出没を受けて立ち入り規制を行っている場合、郵便や「ゆう
パック」の集配を見合わせる可能性があると発表。出没場所に近い地域では原則午後5時以降、原付きバイクな
ど二輪車を使った配達を取りやめている。(時事通信 2025年11月20日)※リンク先なし
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【法令】
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●労働関係法令一覧(2025年10月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202510.html
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<韓国>
▽週4.5日制実施企業に奨励金を支給/京畿道と全国規模のモデル事業
李在明大統領は、「賃金削減のない週4.5日制」を大統領選の公約に掲げていた。これは、賃金を削減すること
なく、週の所定労働日を4.5日にまで短縮するという方針である。これに先立ち、京畿道では2025年6月から週4.5
日制を導入した企業に対して奨励金を支給するモデル事業を実施している。全国規模では、政府が2026年から奨
励金事業を開始予定である。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/11/korea_01.html
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【イベント】
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●女性のエンパワーメントセミナー「あらためて知りたい 私のからだ 私の健康」を開催/東京ウィメンズプラザ
東京ウィメンズプラザでは、2026年1月18日(日)、女性のエンパワーメントセミナー(ライフ編)「あらためて
知りたい 私のからだ 私の健康」をオンラインでライブ配信する。
産婦人科医である講師が、女性の抱える特有の健康課題と不調への対処法について知り、進路選択や就業継続に
際し直面する不安や悩みを軽減するヒントを提供する。
https://www.twp.metro.tokyo.lg.jp/seminar/tabid/567/Default.aspx
●中小企業向けに介護サービス等講義/東京都
東京都は、経験豊富な介護の専門職講師(ケアマネジャー)を都内中小企業に派遣し介護サービスの仕組みや制
度の普及啓発のための講義と個別相談を行う事業を行っている。内容は、介護に関する基礎知識セミナーと介護
のお悩み個別相談会。原則、会場は企業が用意する。
実施期間は2026年3月27日(金)まで※相談申込期限は2026年3月13日(金)。
https://caremane-saishugyoshien.jp/kougi/?_fsi=dwUPAs9H