メールマガジン労働情報 No.2048

■□――【メールマガジン労働情報/No.2048】

 「米国の関税措置に関する総合対策本部」を設置、現状と対応を議論/政府 ほか

―2025年4月9日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】
●「米国の関税措置に関する総合対策本部」を設置、現状と対応を議論/政府
【統計】2月の実質賃金1.2%減、2カ月連続マイナス/毎勤統計調査2月速報
【動向】2024年度の「物価高」関連倒産は700件、製造業が最多/民間調査
【企業】再雇用制度を改定、正社員と同水準の報酬制度や「孫休暇」の導入/タカラトミー
【イベント】オンライン会議、OECD「ボランティアレポート」など紹介/日本環境NPOネットワーク

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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズNo.254『「デジタル人材」の能力開発・確保をめぐる企業の取り組みに関する調査』

JILPTでは、企業における「デジタル人材」育成の取組みに関する実態把握と分析のため、アンケート調査を
実施しました。デジタル化・DX促進を図る上での大きな課題の一つが、デジタル技術の活用を支える人材の
確保であることが明らかになりましたが、非IT企業では未だそうした人材の育成に向けた能力開発に取り組ん
でいない企業が多く、IT企業の多くは人材の不足に直面していることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/254.html

◇調査シリーズNo.253『社会人の学び直し調査―文系専攻者の理転に着目して―』

本調査の目的は、リスキリングに対する労働者の意向や、転職活動に伴う勉強時間などの実態を把握し、
転職希望者や学び直しを行う人々が直面する課題や支援ニーズを特定することにあります。特に、STEM分野に
おける人材不足解消に向けた効果的な支援策を検討するために、文系学部卒業者がSTEM分野へキャリア転換する
学び直しの実態を明らかにし、その実現可能性を探ります。さらに、新しい人材育成手法として注目される
越境学習への認知度や参加意欲についても調査しました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/253.html

◇資料シリーズNo.291『台湾の労災保険・補償制度の歩み―労災保険保護法の制定を中心に―』

台湾では、特定の使用者を持たない就労者や個人自営業者等は職業組合員として社会保険に加入することができ、
さらに2022年労災保険保護法により個人名義で労災保険に直接加入できるようになりました。本書は、台湾の
労働者を対象とする労災保険制度と、クラウドワーカー等就労者を対象とする災害補償制度について解明し、
2022年労災保険保護法の内容とその特性の検討しています。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2025/291.html

◇資料シリーズNo.290『就職支援機関向けWeb適性評価ツールの開発に係る基礎的検討』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2025/290.html

◇資料シリーズNo.289『労働組合のない企業における労働時間などをめぐる労使コミュニケーションと過半数代表者の関与』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2025/289.html

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【JILPTからのお知らせ】
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◇新刊のご案内
 研究双書『失業の心理学─失業から再就職への橋渡し─』(榧野潤・西垣英恵 著)

本書は、労働市場の構造的問題に注目し、100年近くにわたる心理学研究の蓄積と、著者が当機構で
積み重ねてきた実証的研究成果をもとに、失業者の心理と求職行動を科学的に分析した一冊です。
効果的な支援を実現するための新しい研究アプローチを提示するとともに、再就職支援の実務に資する
16の提言を収録しています。
【A5判428頁 定価:3,850円(本体3,500円) 3月31日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/sosho/unemployment/index.html

◇新刊のご案内
 『新時代のキャリアコンサルティング[増補版]―現在と未来、理論と実践をつなぐ新たな架け橋―』

本書は、新旧のキャリア理論、カウンセリング理論を網羅し、実践との結びつきを意識して紹介した一冊です。
今回、9年ぶりに改訂した[増補版]では、キャリア理論とカウンセリング理論それぞれ12項目、あわせて24項目を
追加し、伝統的・基礎的な理論を拡充しつつ、新たな内容も網羅しています。キャリアカウンセラーや職業相談、
学校でキャリア教育に携わる方などどなたでも幅広く活用できる標準的な内容となっています。
【A5判312頁 定価:2,200円(本体2,000円) 3月21日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/shinjidai2025.html

★令和7年度(第48回)労働関係図書優秀賞、公募受付中!

労働関係図書優秀賞は、労働問題に関する一般の関心を高めるとともに、労働に関する総合的な調査研究の
発展に資することを目的として、当機構が読売新聞社の後援のもと、実施しています。
今年度の選考対象図書は令和6年4月から令和7年3月までに新たに刊行された、日本人の編著による
労働に関する図書(雑誌、研究資料、非売品を除く)です。選考への応募方法は、実施要綱をご覧ください。
https://www.jil.go.jp/award/index.html
▽労働関係図書優秀賞・実施要綱
https://www.jil.go.jp/award/koubo/index.html

★25年度「東京労働大学講座・総合講座」(5月開講、オンライン開催)募集開始!

<人事管理・労働経済>部門 5月7日(水)~7月4日(金)(17講義日+試験)
<労働法> 部門      7月10日(木)~8月29日(金)(14講義日+試験)
開催方式:オンライン開催(ライブ配信)※オンデマンド配信ではありません。
配信方法:Zoomウェビナー利用
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
受講料 :1部門につき35,000円(税込)、2部門受講は58,000円(税込)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

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【行政】
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●「米国の関税措置に関する総合対策本部」を設置、現状と対応を議論/政府

政府は8日、第1回米国の関税措置に関する総合対策本部を開催し、現状と対応について議論した。議論を踏まえ、
首相は、「自動車産業は我が国の基幹産業であり、鉄鋼・アルミ産業は多岐にわたる製品の基礎材料を提供する
など、日本経済の屋台骨となる産業」「相互関税はあらゆる産業に大きな影響を与えかねない」などと指摘。
関係閣僚に対し、関税措置の内容の精査と影響の分析、措置見直しを強く求めるなどの外交面の取組み推進、
国内産業への影響を勘案した資金繰り対策等必要な対策措置を講じるよう指示した。
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202504/08kanzei.html
▽資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/tariff_measures/dai1/gijisidai.html

●若者や女性にも選ばれる地方の実現めざす「地方創生2.0」/政府

政府は8日、第3回「新しい地方経済・生活環境創生本部」を開催した。会議では、「安心して働き、暮らせる
地方の生活環境の創生」「東京一極集中のリスクに対応した人や企業の地方分散」など地方創生2.0の取組状況
について議論した。議論を踏まえ、首相は、関係閣僚に対して新地方創生交付金の有効活用について、
自治体や民間企業への働きかけなどを求めた。
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202504/08chihoukeizai.html

●不妊治療と仕事の両立支援、導入マニュアルや企業事例など掲載/厚労省HP

厚生労働省はホームページに、「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのための
マニュアル」および「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」の改定版を掲載している。
同マニュアルは、事業主・人事部門向けに、両立支援導入ステップや、両立に取り組んでいる
25社の企業事例を掲載。同ハンドブックには、職場内の理解を深めるために、不妊治療の内容や
職場での配慮ポイントなどを紹介している。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/30.html

●企業の競争力強化に向け、ダイバーシティ経営のレポートを公表/経産省

経済産業省は7日、「企業の競争力強化のためのダイバーシティ経営(ダイバーシティレポート)」を公表した。
同省の「多様性を競争力につなげる企業経営研究会」が4回にわたり検討、議論を踏まえて取りまとめたもの。
多様な人材が十分に活躍することができない同質性の高い組織は、変化への柔軟な対応力に乏しく、中長期的な
競争環境下でチャンスを狭める可能性もあると指摘。レポートは、企業がダイバーシティ経営に取り組む際に
直面する課題と、その解決につながる具体的なアクションを企業事例を交えて提示している。
https://www.meti.go.jp/press/2025/04/20250407002/20250407002.html

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【統計】
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●2月の実質賃金1.2%減、2カ月連続マイナス/毎勤統計調査2月速報

厚生労働省は7日、2月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表した。
現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金は、前年同月比1.2%減で2カ月連続のマイナス。
なお、規模30人以上では同0.6%減で、2カ月連続のマイナス。
現金給与総額は、就業形態計で前年同月比3.1%増の28万9,562円、うち一般労働者が同3.7%増の37万3,099円、
パートタイム労働者が同2.4%増の10万7,572円で、時間当たり給与は同4.5%増の1,384円だった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r07/2502p/dl/pdf2502p.pdf
▽統計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r07/2502p/2502p.html

●景気判断、すべての地域で「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」/日銀地域経済報告

日本銀行は7日、4月の「地域経済報告―さくらレポート―」を公表した。すべての地域で、景気は、「緩やかに
回復」「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」とし、全9地域で景気の総括判断を前回(1月)から据え置いたが、
支店長会議総括では、「足もとでは、わが国経済を巡る不確実性が高まっている」と指摘した。雇用・賃金面に
ついては、「幅広い業種・規模で、人材確保・係留の観点から、高水準の賃上げを行うことが期待できる情勢」
としつつ、「収益面の厳しさから慎重な姿勢を示す声」もあったとしている。
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rer250407.htm
▽会議総括
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rera250407.htm
▽全文
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rer250407.pdf

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【動向】
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●2024年度の「物価高」関連倒産は700件、製造業が最多/民間調査

 東京商工リサーチは8日、2024年度の「物価高」倒産を発表した。
原材料などの価格上昇を一因とする「物価高」倒産は700件、前年度比2.0%増だった。
産業別では製造業153件(前年度比4.7%増)が最多、建設業150件(同7.9%増)、
運輸業が122件(同16.4%減)で続く。運輸業と建設業では価格転嫁の度合いで
明暗が分かれたと分析。今後については、相互関税の影響は不透明、物価高の是正には時間が必要としている。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201256_1527.html

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【企業】
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●再雇用制度を改定、正社員と同水準の報酬制度や「孫休暇」の導入/タカラトミー

タカラトミーは3月28日、再雇用人事制度の改定と「孫休暇」導入などについて公表した。再雇用嘱託社員の
更なる活躍支援のため、定年まで磨いた専門性や実績評価を参考に、再雇用後に担う役割により等級を決定する
「等級制度」、現役世代と変わらず業績評価と行動評価、ジョブスキル評価を実施し昇降格・給与改定に反映
する「評価制度」、等級ごとに正社員と同水準の月例給・年収に改善する「報酬制度」、の3つの制度を導入。
これにより、現在61歳以上の再雇用社員の平均年収から約70%引き上げとなる。また、祖父母になる社員に対し、
孫が生まれる際の立会や孫の世話などで利用できる特別有給休暇(2労働日)を導入する。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7867/ir_material1/247831/00.pdf

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【イベント】
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●オンライン会議、OECD「ボランティアレポート」など紹介/日本環境NPOネットワーク

一般社団法人日本環境NPOネットワークは4月28日、オンライン会議「団体を通したボランティア活性化の
ためにどのようなことができるか~国際比較を通じて~」をZoomミーティングで開催する。2024年12月に出版
されたOECDの「ボランティアレポート」を担当官が紹介。加盟国におけるボランティア活動の割合や、
年齢、性別、1人あたりGDPなどの様々な人口統計指標に基づく国際分析を発表し、実践例も紹介する。
参加無料。定員300名。要予約。
https://www.jens-net.com/2025/03/29/【参加者募集中】-4-28月1600~-oecd-塩尻氏による講話★オ/

●「私の提言」を募集/教育文化協会

教育文化協会では、連合と共催で、労働運動の前進に向けた提言を募集している。今年は第22回で
「『働くことを軸とする安心社会―まもる・つなぐ・創り出す―』の実現に向けて連合・労働組合が
今取り組むべきこと」をテーマに募集。応募締切は7月22日(火)必着。
https://www.rengo-ilec.or.jp/event/ronbun/bosyu/