■□――【メールマガジン労働情報/No.2035】
特定技能制度及び育成就労制度に関する有識者懇談会を開催/厚労省・出入国管理庁 ほか
―2025年2月19日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】特定技能制度及び育成就労制度に関する有識者懇談会を開催/厚労省・出入国管理庁 ほか
【統計】24年10~12月期のGDP実質成長率、年率2.8%/1次速報値 ほか
【労使】SUBARUでは総額での賃上げ要求額が2万円を超える/自動車大手労組が要求提出
【動向】企業の7割が新卒「初任給引き上げ」/民間調査
【企業】名鉄、総合職の初任給31万円以上に 現場社員は1万5,000円超引き上げ
【海外】高齢化社会を見据えた中高年齢者に対する就職支援策強化/台湾 ほか
【イベント】AI・アルゴリズムの導入と労務管理、法規制の課題など議論/九州大シンポジウム ほか
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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズNo.249『人への投資と企業戦略に関するパネル調査(JILPT企業パネル調査)(第2回)』
https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/249.html
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【JILPTからのお知らせ】
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★労働政策フォーラム「労働市場の変化と人材育成―日独比較の考察―」 申込受付中!
本フォーラムでは、職務や職業に基づく労働市場が最も発達した国の一つであるドイツと、労働市場改革の
早期実行を掲げている日本との比較考察を通じ、労働市場と人材育成を取り巻く課題と展望について議論します。
労働・職業資格研究所の設立者であり、欧州委員会や連邦省庁の顧問を務めるゲアハルト・ボッシュ教授による
特別講演、国内の学識者による研究報告、およびパネルディスカッションを予定。参加無料。
日時 :2025年3月13日(木) 13時50分~17時15分 *途中休憩あり
開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
<登壇者>
ゲアハルト・ボッシュ(Gerhard BOSCH)
デュースブルグ=エッセン大学 社会学部教授/労働・職業資格研究所(IAQ)上級教授
佐藤 厚 法政大学キャリアデザイン学部教授/日本労使関係研究協会会長
中村天江 連合総合生活開発研究所主幹研究員
山内麻理 国際教養大学客員教授
藤村博之 労働政策研究・研修機構(JILPT)理事長
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20250313/index.html
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【行政】
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●特定技能制度及び育成就労制度に関する有識者懇談会を開催/厚労省・出入国管理庁
厚生労働省と出入国在留管理庁は13日、「特定技能制度及び育成就労制度の円滑な施行及び運用に向けた
有識者懇談会」(2回目)を開催した。懇談会は、特定技能制度及び育成就労制度に係る関係省令について、
関係者から意見聴取をして案を作成するため開催。検討事項は(1)育成就労計画の認定基準、(2)転籍
(本人意向)の要件、(3)監理支援機関の許可基準、(4)送出し(支払費用の上限等)、(5)特定技能
制度の適正化。6日に1回目を開催し、「改正入管法及び育成就労法の関係省令に関する論点」を示し、
2回目も引き続き論点について論じた。
▽開催要項(第1回:資料1)
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001397714.pdf
▽第1回資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50827.html
▽第2回資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_51427.html
▽「改正入管法及び育成就労法の関係省令に関する論点」(第2回:資料1)
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001405013.pdf
●「世界経済の潮流2024(II)」を公表/内閣府
内閣府は14日、「世界経済の潮流2024年(II):中国の構造問題と世界経済への影響」を公表した。第1章
「中国経済が世界経済に与える影響」では、不動産市場の停滞などにより消費マインドが低迷している一方、
鉄鋼、自動車などは国内需要の伸び悩みの中でも生産量が増加しており、「過剰供給」分が輸出されている
可能性があるとした(概要p.2~3)。第2章「2024年後半の世界経済の動向」では、アメリカ、欧州の
景気動向、労働需給などについて分析。労働需給について、アメリカでは緩和が継続(p.106)、ユーロ圏では
ひっ迫が続き(p.177)、英国ではひっ迫は解消(p.194)としている。
https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa24-02/index-pdf.html
▽概要
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2024/sekai224siryou.pdf
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【統計】
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●24年10~12月期のGDP実質成長率、年率2.8%/1次速報値
内閣府は17日、2024年10~12月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表した。
GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が0.7%で3期連続のプラス、年率換算で2.8%。
需要項目別では、民間最終消費支出が実質0.1%(前期は0.7%)、うち家計最終消費支出
(除く持ち家の帰属家賃)は実質0.1%(同0.9%)で、いずれも3期連続のプラス。
雇用者報酬の伸び率は実質1.5%(同0.4%)、名目1.7%(同0.7%)。
年次別では、2024年(暦年)の実質成長率は0.1%、民間最終消費支出は実質マイナス0.1%、
うち家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃)は実質マイナス0.2%。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2024/qe244/pdf/gaiyou2441.pdf
▽統計表
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2024/qe244/gdemenuja.html
●正規職員・従業員、前年同期比70万人増/労働力調査・詳細集計10~12月期平均
総務省は14日、「労働力調査(詳細集計)」結果を公表した。2024年10~12月期平均の役員を除く雇用者は
5,824万人。うち、正規の職員・従業員は前年同期比70万人増の3,665万人で、7期連続の増加。非正規の
職員・従業員は、同2万人減の2,158万人で、2期連続の減少。非正規として働く理由は、「自分の都合のよい
時間に働きたいから」が743万人(同21万人増)、「家計の補助・学費等を得たいから」が387万人(同1万人増)。
「正規の職員・従業員の仕事がないから」は172万人(同22万人減)。失業者は179万人(同5万人減)。
失業期間別にみると、「3カ月未満」は68万人(3万人減)、「1年以上」は57万人(2万人減)。
就業者6,804万人のうち、追加就労希望就業者は206万人(同9万人増)。非労働力人口3,991万人のうち、
潜在労働力人口は31万人(同2万人減)。
▽結果の概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf
▽労働力調査の主な結果
https://www.stat.go.jp/data/roudou/2.html#latest
●12月の生産指数、前月比0.2%低下/鉱工業指数確報
経済産業省は17日、12月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」確報値を公表した。
生産指数(季節調整済)は前月比0.2%低下の101.6で2カ月連続の低下。業種別で低下は化学工業
(無機・有機化学工業を除く)、食料品・たばこ工業、自動車工業等、上昇は生産用機械工業、
電子部品・デバイス工業、無機・有機化学工業等。出荷は前月比0.2%上昇。在庫は同0.7%、
在庫率は同1.4%のいずれも低下。速報に比べ、生産、出荷は下方修正、在庫は変わらず、在庫率は上方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202412kj.pdf
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【労使】
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●SUBARUでは総額での賃上げ要求額が2万円を超える/自動車大手労組が要求提出
自動車総連(金子晃浩会長、78万1,000人)に加盟するメーカー部会の大手12組合は12日、揃って「2025年
総合生活改善の取り組み」に関する要求書を経営側に提出した。SUBARU労組は、平均賃金要求で昨年を
2,700円上回る総額2万1,000円を要求。昨年、この時期での賃金改善分の要求を見送ったダイハツ労組も、
「2万1,200円+賃金課題解決原資」と2万円を超える水準を求めている。一時金要求では、トヨタ労組が
昨年に続き7.6カ月を要求した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20250219.html
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【動向】
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●企業の7割が新卒「初任給引き上げ」/民間調査
帝国データバンクは14日、「初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)」結果を発表した。
2025年4月入社の新卒社員の初任給を前年度から引き上げる企業は71.0%。引き上げ額の平均は9,114円。
一方で、引き上げない企業は29.0%。有効回答1,519社のうち、490社が初任給引き上げの有無を回答。
人材確保や物価高騰、最低賃金の上昇にあわせての対応が背景にあるとしている。
初任給の金額は、「20万~25万円未満」の企業が最多の62.1%で前年度比4.7ポイント増、次いで
「15万~20万円未満」(同8.7ポイント減)は24.6%、「25万~30万円未満」は11.4%(回答は475社)。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250214-startingsalary2025/
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【企業】
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●名鉄、総合職の初任給31万円以上に 現場社員は1万5,000円超引き上げ
名古屋鉄道は14日、2026年度に入社する総合職などの初任給を引き上げると発表した。年俸の月額換算で、
大卒総合職は現行の30万円から「31万円以上」とする。優秀な人材の確保や定着につなげる狙い。今後、
労働組合と協議を進め、正式な金額を決定する見通し。
乗務員や車両保守などを担う「鉄道エキスパート職」は大卒で23万円以上、短大・専門卒で22万円以上、
高卒で21万円以上とする。引き上げ額は大卒が最も高く、1万6,300円以上となる。
同社は全社員を対象とし、試行的に社員食堂で健康メニューを3食無料で提供するなど総合的な処遇引き上げに取り組んでいる。
(時事通信)2025年2月14日 ※リンク先なし
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<台湾>
▽高齢化社会を見据えた中高年齢者に対する就職支援策強化
2024年7月31日、「中高年齢者および高年齢者就職促進法」の一部が改正された。この改正は、
(1)中高年齢者(45歳以上64歳以下の者)および高年齢者(65歳以上の者)のための就職計画の策定、
(2)雇用促進支援の拡充と退職後の再就職支援、(3)省庁間の協力強化・連携による雇用機会の創出――
を柱として、中高年齢者および高年齢者の就職保障を一層強化していく内容となっている。改正法は
同年12月4日から施行された。労働部は改正法の積極的な推進により、40万人以上の中高年齢者および
高年齢者が労働市場に参加すると発表した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/02/taiwan_01.html
▽外国人労働者の管理と運用実態
台湾労働部は1月21日、外国人労働者の管理・運用実態に関する調査の結果を公表した。それによると、
2024年6月の外国人労働者の賃金(基本給+各種手当+残業代)は製造・建設業で平均3万3,000台湾ドル、
家庭介護で2万4,000台湾ドルとなり、前年同月比でともに2,000台湾ドル増加している。外国人労働者の
雇用の困難さについては、「言語の壁」などコミュニケーションの困難さをあげる企業が多い。また、
過去6年間に製造・建設業の約半数で外国人労働者の行方不明・失踪を経験している。家庭介護の
長時間労働の問題は解消されていない。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/02/taiwan_02.html
<ILO>
▽世界経済は減速しつつあり、労働市場に陰りがみられる ―ILO「雇用・社会見通し 2025」
国際労働機関(ILO)は1月16日、「世界の雇用・社会見通し:トレンド2025(World Employment and Social
Outlook:Trends 2025)」を発表した。それによると、世界経済は減速しており、労働市場の完全な回復が
難しくなっている。世界の失業率は5%で安定しているものの、若年層や低所得国を中心に、失業や雇用の
質の問題に直面している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/02/ilo_01.html
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【イベント】
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●AI・アルゴリズムの導入と労務管理、法規制の課題など議論/九州大シンポジウム
九州大学で、3月14日(金)、「Control in a World of Algorithmic Management and the Future of Labour and Employment Law」と題するシンポジウムが、対面(九州大学・福岡市)とオンライン
(Zoomウェビナー/最大500名)で開催される。AIやアルゴリズムによる労働者の管理・監督に関する
課題や法規制の在り方について、法哲学・情報科学・労働法の観点から、日英の研究者が議論する。
イギリスから、英国労働組合会議(TUC)担当者、University College London の研究者が登壇。
参加無料。使用言語は英語(日本語通訳なし)。
https://commons.kyushu-u.ac.jp/collaborative/co-sponsored/250314_EmploymentLaw.html
●講演会「障害のある方の「働く」を考える」/千代田区
東京・千代田区障害者就労支援センターは3月4日(火)、講演会「障害のある方の「働く」を考える~
自身に必要な配慮とは何か?~」を会場(千代田区)とオンラインで開催する。講演「職場で必要な配慮を
考えるために」と合理的配慮の事例紹介。参加無料。要事前申込、2月26日(水)締切。千代田区民・在勤優先。
定員は、会場30名、オンライン50名。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdnZ0y-M2luSl3_N-Hcbb54jqZBd1PTuVwuld6xVSxVbJBP2Q/viewform
●セミナー「今日的な社会状況を巡る労働問題にどう取り組むか」/京都勤労者学園
(公社)京都勤労者学園は3月に春季労働法関連セミナー「今日的な社会状況を巡る労働問題にどう取り組むか」
全3回をオンラインで開催する。テーマは、「人口減少社会への対応と労働問題(3月5日(水))」、
「家族のケアに係る制度と労働問題(12日(水))」、「収入の壁に関わる政策と労働問題(19日(水))」。
参加無料。要事前申込、定員各回30名(先着順)。
https://www.labor.or.jp/gakuen/archives/12659