メールマガジン労働情報 No.2036

■□――【メールマガジン労働情報/No.2036】

景気は「緩やかに回復」の判断を維持/2月・月例経済報告 ほか

―2025年2月21日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】景気は「緩やかに回復」の判断を維持/2月・月例経済報告 ほか
【統計】1月の消費者物価指数、3.2%上昇/総務省 ほか
【労使】3%(1万2,000円相当)の月例賃金改善を要求/NTT労組の春闘方針
【動向】給与水準を引き上げた中小企業は75.2%/政策金融公庫
【企業】自動車運送業分野特定技能1号評価試験に外国籍社員が合格/両備グループ ほか
【海外】非労働力層の就労支援に医療・教育訓練など活用/イギリス ほか
【イベント】セミナー「働きたい!ワカモノ・氷河期世代応援会議 in 奈良」/奈良県

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【JILPTからのお知らせ】
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☆アンケートのお願い

本日、メールマガジン「労働情報」についてのアンケートのお願いを別メールにてお送りする予定です。
ご協力よろしくお願いいたします。

★労働政策フォーラム「労働市場の変化と人材育成―日独比較の考察―」 申込受付中!

本フォーラムでは、職務や職業に基づく労働市場が最も発達した国の一つであるドイツと、労働市場改革の
早期実行を掲げている日本との比較考察を通じ、労働市場と人材育成を取り巻く課題と展望について議論します。
労働・職業資格研究所の設立者であり、欧州委員会や連邦省庁の顧問を務めるゲアハルト・ボッシュ教授による
特別講演、国内の学識者による研究報告、およびパネルディスカッションを予定。参加無料。

日時  :2025年3月13日(木) 13時50分~17時15分 *途中休憩あり
開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
<登壇者>
 ゲアハルト・ボッシュ(Gerhard BOSCH)
      デュースブルグ=エッセン大学 社会学部教授/労働・職業資格研究所(IAQ)上級教授
 佐藤 厚  法政大学キャリアデザイン学部教授/日本労使関係研究協会会長
 中村天江 連合総合生活開発研究所主幹研究員
 山内麻理 国際教養大学客員教授
 藤村博之 労働政策研究・研修機構(JILPT)理事長
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20250313/index.html

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【行政】
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●景気は「緩やかに回復」の判断を維持/2月・月例経済報告

政府は19日、2月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は「景気は一部に足踏みが残るものの緩やかに
回復」との前月判断を維持。先行きについては、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、
緩やかな回復が続くことが期待される」としたが、 欧米の高金利水準や中国の不動産市場停滞の影響など、
海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとし、物価上昇、アメリカの通商政策など政策動向、中東情勢、
金融資本市場の変動などに注意する必要があるとした。個別判断では、「輸出」を「おおむね横ばい」から
「持ち直しの動きがみられる」に上方修正、「輸入」を「持ち直しの動きがみられる」から「おおむね横ばい」
に下方修正した。雇用情勢は、「改善の動きがみられる」で据え置き。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2025/0219getsurei/main.pdf

●公共工事設計労務単価等を改定、13年連続の引き上げ/国交省

国土交通省は14日、公共工事設計労務単価、設計業務委託等技術者単価、建築保全業務労務単価の改定を
発表した。公共工事設計労務単価は、時間外労働の上限規制への対応に必要な費用等を反映し、全職種では
前年度比6.0%引き上げ、公共工事で広く一般的に従事されている主要12職種では5.6%の引き上げ。
設計業務委託等技術者単価は、全職種単純平均で同5.7%の引き上げ。どちらの単価も2025年3月からの
適用。25年4月から適用される省庁施設の保守・点検業務等の建築保全業務労務単価は、同8.3%の引き上げ。
いずれの単価も、13年連続の引き上げとなる。
▽公共工事労務単価について
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001864366.pdf
▽設計業務委託等技術者単価について
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001864360.pdf
▽建築保全業務労務単価について
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001864305.pdf

●技能五輪への介護職種追加に向けた方向性を取りまとめ/厚労省検討会

技能五輪全国大会 介護職種の追加に向けた検討会は17日、技能五輪全国大会への介護職種の正式種目化に
向けた「今後の方向性」を取りまとめた。厚生労働省は、今回の取りまとめを踏まえ、2025年大会の
エキシビション(公開競技として実施、メダルは交付せず)、26年大会の正式競技化に向けて準備を進める。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_51997.html
▽「技能五輪全国大会への介護職種の追加に向けた方向性について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11806001/001411112.pdf

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【統計】
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●1月の消費者物価指数、3.2%上昇/総務省

総務省は21日、1月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は109.8で
前年同月比3.2%の上昇。前月比(季調値)は0.4%の上昇。前年同月比で上昇が大きかったものは、
「生鮮野菜」36.0%、「生鮮果物」22.7%、「穀類」18.4%、「電気代」18.0%など。品目では
「キャベツ」192.5%、「うるち米(コシヒカリを除く)」71.8%、「みかん」37.0%などの上昇が目立つ。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽報道資料
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

●12月の基調判断、「持ち直しの動きが見られる」で据え置き/機械受注統計

内閣府は19日、機械受注統計調査報告(2024年12月実績)を公表した。民間設備投資の先行指標である
「民需(船舶・電力を除く、季調値)」は前月比1.2%減の8,893億円で、3カ月ぶりの減少。要因としては、
製造業が同10.4%減、非製造業(船舶・電力を除く)が同4.7%増となったことを挙げた。受注総額は、
同2.9%減の2兆8,954億円(季調値)。基調判断は「持ち直しの動きが見られる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2024/2412gaiyou.pdf
▽調査報告(本文)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2024/2412juchu-1.pdf

●2月の総人口、前年同月比57万人減/総務省人口推計

総務省は20日、人口推計の2025年2月概算値及び24年9月の確定値を公表した。
2月1日現在の総人口(概算値)は1億2,354万人(前年同月比57万人・0.46%減)。
9月1日現在の総人口(確定値)は1億2,377万9千人(同56万9千人・0.46%減)。
年齢階層別(確定値)では「15歳未満」2.43%減、「15~64歳」0.33%減、「65歳以上」0.05%増、
うち「75歳以上」は3.47%増。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202502.pdf
▽統計表等
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

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【労使】
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●3%(1万2,000円相当)の月例賃金改善を要求/NTT労組の春闘方針

NTT東西やドコモ、データなど、NTTグループ企業の労働組合でつくるNTT労働組合(鈴木克彦委員長、
約14万人)は2月13日に都内で中央委員会を開き、3%(1万2,000円相当)の賃金改善を求める
「2025春季生活闘争方針」を決めた。冒頭、鈴木委員長はあいさつで、「会社側と真摯な議論を尽くし、
情報通信・情報サービス分野のリーディング企業としての英断を求めていく」などと述べ、要求を
勝ち取る姿勢を強調した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20250221.html

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【動向】
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●給与水準を引き上げた中小企業は75.2%/政策金融公庫

日本政策金融公庫は17日、「中小企業の雇用・賃金に関する調査」結果を発表した。2024年12月の
正社員の給与水準を前年から「上昇」させた企業は75.2%で、23年実績(68.0%)から7.2ポイント上昇。
給与水準上昇の背景は、「最低賃金の動向」(24.9%)が最多、僅差で「物価の上昇」(24.8%)、次いで
「自社の業績が改善」(17.3%)など。2025年見通しについて、「上昇」と回答した企業割合は68.1%。
24年12月の正社員の過不足感は、「不足」が57.7%で、業種別では「運送業(水運除く)」(75.5%)、
「建設業」(73.7%)、「宿泊・飲食サービス業」(71.8%)などで高い。
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_250217.pdf

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【企業】
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●自動車運送業分野特定技能1号評価試験に外国籍社員が合格/両備グループ

交通運輸業等の両備グループは7日、グループ内のニッコー観光バス所属のインドネシア国籍社員が
12月20日受験の「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」に1月10日付で合格したと発表した。
特定技能1号評価試験バス分野の12月試験合格者は同社員のみで、全国初の試験合格者としている。
両備グループは、乗務社員採用プロジェクトを通じ、次の100年につながる安定的な総合運輸交通
サービスの基盤づくりを目指す、としている。
https://ryobi.gr.jp/news/13434/
▽自動車運送業分野特定技能1号評価実施状況の月次報告の公表(日本海事協会・特定技能試験専用ポータルサイト)
https://sswt-portal.classnk.or.jp/

●バンダイ、シニア社員の年収6割上げ 新卒初任給は30万円台に

玩具大手のバンダイ(東京)は12日、61歳以上のシニア社員(定年再雇用社員)の年収を従来水準に比べて、
平均で58%引き上げると発表した。物価高騰への対応や働く意欲の向上につなげるため、4月から報酬制度を改定する。
従来の制度では、定年再雇用後は給与が大きく下がっていた。同社によると、社員によっては再雇用前の
水準を維持できるよう、給与の算定方法などを見直す。
新卒初任給も従来の29万円から30万5,000円に引き上げる。部長職など一部を除く社員の給与についても月額1万5,000円増額する。
(時事通信)2025年2月12日 ※リンク先なし

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<イギリス>
▽非労働力層の就労支援に医療・教育訓練など活用

政府は2024年11月末、非労働力層の就労促進策に関する白書を公表した。コロナ禍以降に増加した、
健康問題を理由とする非労働力層や若者の就労促進に、健康問題への対応や教育訓練などを組み合わせた
支援を図る内容だ。同時に、障害者等に対する既存の給付制度の見直しを通じて、受給者の就労促進を
図ることが目指されている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/02/uk_01.html

<中国>
▽農民工の建設業離れと新たな選択肢

中国では、地元の農村で農業以外に従事したり、都市に半年以上出稼ぎに出ている農村戸籍人口を一般的に
「農民工」という。2024年の農民工の人数は2億9,973万人に達した。近年、多くの農民工が、建設需要の
減少、高齢化、高学歴化、フレキシブルワークへの就業希望者の増加、地域経済の発展などを背景に、
建設業から離れる動きが顕著となっている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/02/china_01.html

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【イベント】
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●セミナー「働きたい!ワカモノ・氷河期世代応援会議 in 奈良」/奈良県

奈良若者サポートステーションは3月6日(木)、セミナー「働きたい!ワカモノ・氷河期世代応援会議 in
奈良」を会場(奈良市)とオンラインで開催する(主催:奈良県)。「働くこと」に悩む若者に関わる活動を
している人や、若者・氷河期世代の採用に関わる企業担当者を対象に、若者が就職に向けて動き出す際の
課題や、それを乗り越えるための支援方法について理解を深める。講演は、当機構・堀統括研究員が登壇。
参加無料。申込締切は3月5日(水)。会場は定員30名(先着順)。
https://nara-soudan.jp/event/ouenkaigi2024/
▽チラシ
https://nara-soudan.jp/wp-nara/wp-content/uploads/2025/03/45a745dc57d14f0c4a74ceb732a92fb2.pdf