メールマガジン労働情報 No.2007

■□――【メールマガジン労働情報/No.2007】

フリーランス法施行に合わせて、労働者性に関する相談窓口を労基署に設置/厚労省 ほか

―2024年10月30日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】フリーランス法施行に合わせて、労働者性に関する相談窓口を労基署に設置/厚労省 ほか
【統計】9月の完全失業率2.4%、前月比0.1ポイント低下/労働力調査 ほか
【労使】賃上げ要求目安5%以上、中小は6%以上で格差是正/連合の2025春季生活闘争基本構想 ほか
【動向】4割の男性、育休取得後に「気まずい」と感じる/民間調査 ほか
【企業】平均6%賃上げ、全正社員2,900人対象/スシロー運営会社(F&LC) ほか
【海外】再生可能エネルギー関連の雇用、2割増で1,620万人に拡大―IRENA・ILO報告書
【法令】労働関係法令一覧(2024年9月公布分)
【イベント】講座「テレワークの「マル」と「バツ」」/神奈川県

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【JILPTからのお知らせ】
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 ディアローグ「労働判例この1年の争点」+ミニ特集「生活を守るアクターとしての組合」
 https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2024/11/index.html

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 https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/11/index.html

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自分の職業興味を知り、関心のある職業やこれまで知らなかった職業を知ることができます。
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児童・生徒から若者、中高年に至る多様なニーズに柔軟に対応できるように作成しました。

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【行政】
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●フリーランス法施行に合わせて、労働者性に関する相談窓口を労基署に設置/厚労省

厚生労働省は25日、「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行される11月1日に合わせて、自身の
労働者性に疑義があるフリーランスからの相談窓口を全国の労働基準監督署に設置すると発表した。
フリーランスの中には、労基法上の労働者でありながら自営業者として扱われ、労基法等に基づく保護が
受けられていないといった問題が指摘されているとし、相談窓口では、労働者性の判断基準の説明や
「働き方の自己診断チェックリスト」を用いたチェックなども行う。同省は、今回の取組みを通じて、
フリーランスとして契約しながら実態は労働者となっている人たちの労働環境整備に努めるとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44487.html
▽チェックリスト
https://www.mhlw.go.jp/content/11202000/001283001.pdf
▽労基法における労働者性判断に係る参考資料集
https://www.mhlw.go.jp/content/001319389.pdf

●就職後3年以内の離職率、大卒35%、高卒38%/厚労省調査

厚生労働省は25日、2021年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況を公表した。
就職後3年以内の離職率は、大卒34.9%(前年比2.6ポイント上昇)、短大等卒44.6%(同2.0ポイント上昇)、
高卒38.4%(同1.4ポイント上昇)。離職率の高い産業は、「宿泊業、飲食サービス業」(大卒56.6%、高卒65.1%)、
「生活関連サービス業、娯楽業」(同53.7%、61.0%)、「教育、学習支援業」(同46.6%、53.1%)、
「小売業」(同41.9%、48.6%)、「医療、福祉」(同41.5%、49.3%) など。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00007.html

●医療・介護・保育分野の職種別平均手数料と離職率を公表/厚労省

厚生労働省は、医療・介護・保育分野における全国と地域ブロック別の職種別平均手数料(2022年度実績)と
離職率(2021年度実績)を公表している。離職率(全国)は、介護14.7%、看護12.6%、保育9.8%、医師5.1%。
介護の離職率は10の地域ブロック中8ブロックで最も高く、残る2ブロックの最高は看護。職業紹介手数料
(全国)は、介護が最も低い54.6万円で、低い順では看護63万円、保育63.4万円、医師98.4万円となっている。
厚労省は、これらについて、職業紹介事業者を選択する際の参考などに活用してもらいたいとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/36163.html

●「過重労働解消相談ダイヤル」を11月2日(土)に実施/厚労省

厚生労働省は、11月2日(土)を「特別労働相談受付日」とし、労働基準監督官による無料電話相談
「過重労働解消相談ダイヤル」を実施する。11月の「過重労働解消キャンペーン」の取組の一つとして、
過重労働をはじめとした労働問題全般にわたる相談のほか、労基法違反などの問題がある事業場に関する情報
を受け付ける。また、労働条件相談ほっとライン(委託事業)にてSNS相談も実施。「キャンペーン」では、
労働局長によるベストプラクティス企業との意見交換、長時間労働の事業場等に対する重点監督等も行う。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44608.html

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【統計】
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●9月の完全失業率2.4%、前月比0.1ポイント低下/労働力調査

総務省は29日、2024年9月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率(季調値)は2.4%で、
前月比0.1ポイント低下。完全失業者数は173万人(前年同月比9万人減)で、2カ月連続の減少となった。
就業者数は6,814万人(同27万人増)で26カ月連続の増加。雇用者数は6,149万人(同25万人増)で、
31カ月連続の増加。うち、正規従業員数は3,692万人(同59万人増)で11カ月連続の増加、
非正規従業員数は2,107万人(同34万人減)で2カ月ぶりに減少した。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
▽概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●9月の有効求人倍率1.24倍、前月比0.01ポイント上昇/一般職業紹介状況

厚生労働省は29日、2024年9月分「一般職業紹介状況」を公表した。有効求人倍率(季調値)は1.24倍で、
前月と比べ0.01ポイント上昇。新規求人倍率(同)は2.22倍で、前月比0.1ポイント低下した。
新規求人(原数値)は、前年同月比で5.9%減。産業別にみると、増加したのは情報通信業(8.9%増)、
減少したのは、生活関連サービス業・娯楽業(13.3%減)、製造業(9.1%減)、
サービス業(他に分類されないもの)(8.8%減)など。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44547.html

●8月の基調判断は「下げ止まりを示している」で据え置き/景気動向指数の改訂状況

内閣府は25日、8月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は前月差3.2ポイント低下の114.0(速報値113.5)で、2カ月ぶりの低下。
基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、下げ止まりを示している」で、前月から据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202408rsummary.pdf
▽統計表
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

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【労使】
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●賃上げ要求目安5%以上、中小は6%以上で格差是正/連合の2025春季生活闘争基本構想

連合(芳野友子会長)は18日に開いた中央執行委員会で、2025春季生活闘争基本構想を確認した。
基本構想は、2025春季生活闘争方針のたたき台となるもの。賃上げの要求指標としては、「賃上げ分3%以上、
定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上」と2024闘争と同じ水準を提示したが、規模間格差が
拡大したことをふまえ、中小組合の要求指標については、「格差是正分1%以上を加えた6%以上」と
2024闘争より1%高い水準を提起した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20241030a.html

●月3万2,000円・時給200円を要求額論議のスタート台に/国民春闘共闘委の25春闘構想

全労連などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:秋山正臣全労連議長)は18日、都内で年次総会を開き、
2025年の国民春闘方針構想を確認した。賃上げ要求基準は、前年の要求より月額で2,000円、時給も10円高い
「月3万2,000円(10%以上)、時給200円」を掲げている。構想は来月下旬の国民春闘討論集会で議論され、
年明けに正式決定する。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20241030b.html

●交通運輸・観光サービス産業の持続的成長に向けた政策の実現を/交運労協定期総会

交通運輸関係の産業別労組で構成する交運労協(57万6,000人、住野敏彦議長)は10日、都内で定期総会を
開催し、2025年の活動方針を決めた。活動方針は、物流産業を取り巻く環境とトラックドライバーの処遇の
改善の取り組みや、持続可能な地域公共交通の再構築、ライドシェアに関する課題への対応などに力を注ぐ
方向性を明示。25春闘でも、社会的役割に見合う労働環境の実現に向けた取り組みを進める。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20241030c.html

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【動向】
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●4割の男性、育休取得後に「気まずい」と感じる/民間調査

明治安田生命保険は17日、「子育てに関するアンケート調査」結果を発表した。男性の育休について、育休を
取得した男性は33.4%、取得日数は平均42日と過去最高値を更新したが、大企業に勤める男性が51.6%に対し、
中小企業は26.2%と企業規模別で格差があると指摘。育休取得後に職場で「気まずい」と感じた男性は41.5%
で、気まずさを感じないためにあったら良いと思う制度は「人員の補充」(24.7%)が最も多かった。
調査対象は、0歳~6歳の子どもがいる全国の既婚男女。
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2024/pdf/20241017_01.pdf

●採用時の最低時給1,167円、東京が唯一1,300円超える/民間調査

帝国データバンクは23日、「最低賃金と採用時の最低時給に関する企業の実態調査」を発表した。
従業員を採用するときの最も低い時給を尋ねたところ、全体平均は1,167円となり、改定後の最低賃金の全国
加重平均1,055円を112円上回った。業界別では、「金融」「不動産」がともに1,261円でトップ。都道府県別
での最高は「東京都」(1,340円)が唯一1,300円を超え、最低賃金との差額もプラス177円と最大。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241023_minimumwage/

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【企業】
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●平均6%賃上げ、全正社員2,900人対象/スシロー運営会社(F&LC)

回転寿司チェーンの「スシロー」などを運営するFOOD&LIFE COMPANIES(F&LC)は24日、国内グループの
全正社員約2,900人を対象に10月1日から給与制度を改定し、平均6%の給与引き上げ(ベースアップ、定昇
の合計)を実施したと発表した。この一環で、新卒初任給の引き上げも実施。あきんどスシローの場合、
2万円の引き上げで25万円(高卒・大卒一律)となる。近年の物価上昇でも社員が安心して働ける環境づくりと
人財競争力を高めるため、今回の給与引き上げを決定したとしている。
https://www.food-and-life.co.jp/news/8399/

●人工知能を活用した独自システム「AI課長」を開発導入/大東建託

大東建託は10日、人工知能(AI)を活用して若手営業担当者の育成や営業活動を支援する独自システム
「AI課長」を開発し、10月中旬より導入すると発表した。「AI課長」は、約2,900名の営業担当者を対象に
ロールプレイングなどの教育・研修用ツールとして開発したもので、営業活動に必要な知識やスキルを
習得する仕組みを構築。営業職担当者が時間や場所の制約を受けずに学べる環境を提供し、効率的かつ
自主的に学ぶ意識の養成を目指す。また、従来、先輩社員が指導や相談に応じていた時間等を軽減する効果も
見込む。今後、様々なシステム機能を順次導入し、営業効率化ツールとして活用を広げるとしている。
https://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2024/aqehc400000l6q3y-att/release_aikacho_241010.pdf

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<ILO>
▽再生可能エネルギー関連の雇用、2割増で1,620万人に拡大―IRENA・ILO報告書

国際労働機関(ILO)は10月1日、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)と共同で報告書「再生可能エネルギー
と雇用 2024(Renewable Energy and Jobs―Annual Review 2024)」を発表した。地球規模で進む気候変動に
対処するため、化石燃料エネルギーから再生可能エネルギーへの転換は喫緊の課題となっている。報告書は、
再生可能エネルギーに関する雇用の状況を分析するとともに、エネルギー転換を進めるにあたり、女性や若者
など多様な人材に必要な教育訓練を行い、労働条件や労働者の権利を尊重することが必要だと指摘している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/10/ilo_02.html

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【法令】
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●労働関係法令一覧(2024年9月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202409.html

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【イベント】
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●講座「テレワークの「マル」と「バツ」」/神奈川県

神奈川県かながわ労働センター川崎支所は12月5日(木)、労働講座「テレワークの「マル」と「バツ」
~QOLの向上と過重労働・労働時間をめぐる問題~」を川崎市で開催する。テレワークに関する、QOLの向上と
過重労働・労働時間をめぐる問題について解説する。対象は労働組合役員、労働者、テーマに関心のある方。
受講無料。要事前申込、定員30名(先着順)。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/jg5/cnt/f7615/index.html#tokuteikadai
▽案内チラシ
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/11050/tokuteikadai.pdf