■□――【メールマガジン労働情報/No.2006】
次世代法改正に伴う省令案要綱「妥当」と答申、「くるみん」認定基準の引き上げも/労政審 ほか
―2024年10月25日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】次世代法改正に伴う省令案要綱「妥当」と答申、「くるみん」認定基準の引き上げも/労政審 ほか
【統計】8月の実質賃金、前年同月比0.8%減で3カ月ぶりのマイナス/毎勤統計確報 ほか
【動向】「労働市場の未来推計2035」発表、労働力不足を「時間」換算で推計/民間調査 ほか
【企業】マネジメントスキルに基づく評価制度導入、年功的要素を払拭/スギノマシン
【海外】労組が賃上げ拒否、スト継続 7~9月期は赤字9400億円/ボーイング
【イベント】職場のハラスメント対策講演会/神奈川県 ほか
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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズ No.247『雇用保険未適用である短時間労働者の実態に関する調査』
https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/247.html
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【JILPTからのお知らせ】
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◇『日本労働研究雑誌』11月号を刊行しました!
ディアローグ「労働判例この1年の争点」+ミニ特集「生活を守るアクターとしての組合」
毎年の恒例企画・ディアローグでは、労働法の研究者2名の対談形式により、この1年の注目すべき
重要な労働判例を9件取り上げました。また、ミニ特集「生活を守るアクターとしての組合」では、
労使交渉のなかでも賃上げに焦点をあて、諸外国の組合の動向を紹介する5本の論文を掲載しています。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2024/11/index.html
◇『ビジネス・レーバー・トレンド』11月号を公開しました!「人手不足を乗り切る企業」
少子高齢化で労働力供給に制約があるなか、人手不足がますます顕在化しています。こうした状況の
なかで人手不足を乗り切ろうと、働く人の意欲を向上させるために処遇改善や働きやすい職場づくり、
仕事の遂行体制の見直しなどに取り組む企業もみられます。
本号では、企業ヒアリング結果など、人手不足の解消に向けたさまざまな取り組みを紹介します。
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/11/index.html
★令和6年度 労働関係図書優秀賞(第47回)を発表!
JILPTでは、労働に関する総合的な調査研究を奨励し、労働問題に関する知識と理解を深めることを目的として、
「労働関係図書優秀賞」の表彰事業を行っています。今年度の受賞図書は、次の2作に決定しました。
・『職務重視型能力主義――三菱電機における生成・展開・変容』(日本評論社 2023年12月刊)
(鈴木誠 長野大学企業情報学部教授)
・『戦後初期日産労使関係史――生産復興路線の挫折と人員体制の転換』(ミネルヴァ書房 2024年3月刊)
(吉田誠 立命館大学産業社会学部教授)
※新進研究者の調査研究を奨励する「労働関係論文優秀賞」の今年度受賞論文は該当作なしとなりました。
https://www.jil.go.jp/award/bn/2024/index.html
★企画展示「令和の労働関係図書優秀賞 受賞図書展」/労働図書館
JILPT労働図書館で展示中の「令和の労働関係図書優秀賞 受賞図書展」に、最新第47回受賞図書2冊が追加
されました。会期を12月27日(金)まで延長しご紹介いたします。
https://www.jil.go.jp/lib/exhibition/index.html
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【行政】
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●次世代法改正に伴う省令案要綱「妥当」と答申、「くるみん」認定基準の引き上げも/労政審
厚生労働省労働政策審議会は21日、次世代育成支援対策推進法の施行規則一部改正の省令案要綱、および
行動計画策定指針案の改正件案要綱について「おおむね妥当」と答申した。省令案では、従業員100人超の企業
に義務付けている「一般事業主行動計画」の策定・変更時に把握すべき事項に、直近年度の男性労働者の
育児休業等取得率と、フルタイム労働者の各月の時間外労働・休日労働の合計時間数などを加え、それらの分析
に基づく数値目標を定めることとした。また、「くるみん」「プラチナくるみん」の認定基準を見直し、
男性の育児休業等の取得率をそれぞれ30%以上、50%以上に引き上げることなどが盛り込まれた。
指針案には、行動計画の策定・変更時に求められる状況把握や課題分析に当たっての「観点例」と「取組例」
が示されている。改正省令と改正指針の施行は2025年4月1日(省令の一部は同年10月1日)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44429.html
▽省令案要綱
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001318434.pdf
▽指針の一部改正件案要綱
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001318435.pdf
(関連のJILPT調査研究成果)
▽調査シリーズNo.213『次世代育成支援対策推進法の施行状況に関する調査』(2021年7月)
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/213.html
●厚生労働省職員や機関を装った不審な電話・メール・訪問への注意喚起/厚労省
厚生労働省は24日、厚生労働省職員や機関を装った不審な電話・メール等の情報を公開した。
保険証が不正利用されている等として個人情報を聞き出そうとしたり、統計調査担当を名乗って家族構成、
年収、資産を尋ねる、就労条件総合調査のためとして訪問し回答を求めるなどの事例を紹介し、注意を
呼び掛けている。
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/0713-1.html
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【統計】
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●8月の実質賃金、前年同月比0.8%減で3カ月ぶりのマイナス/毎勤統計確報
厚生労働省は24日、8月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上)を公表した。
実質賃金は前年同月比0.8%減(速報では0.6%減)で、3カ月ぶりのマイナス。
現金給与総額は、就業形態計29万6,154円(前年同月比2.8%増)、うち一般労働者が37万9,012円(同3.1%増)、
パートタイム労働者が10万9,767円(同3.8%増)。きまって支給する給与は同2.4%増、
特別に支払われた給与は同12.0%増(いずれも就業形態計)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2408r/dl/pdf2408r.pdf
▽統計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2408r/2408r.html
●統計調査の調査票様式をホームページに掲載/厚労省
厚生労働省は、同省が実施する統計調査の調査票様式をホームページに公開している。
分野ごとに一覧でき、人口・世帯の「国民生活基礎調査」「21世紀出生児縦断調査」「中高年者縦断調査」、
雇用の「毎月勤労統計調査」「労働経済動向調査」、賃金の「賃金構造基本統計調査」「就労条件総合調査」、
労使関係の「労働争議統計調査」「労使関係総合調査」などの統計調査の調査票が過去実施分から閲覧できる。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/index.html
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【動向】
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●「労働市場の未来推計2035」発表、労働力不足を「時間」換算で推計/民間調査
パーソル総合研究所と中央大学は17日、「労働市場の未来推計2035」を発表した。より精度の高い推計を
目指すとして、労働力不足を「時間」で捉え、「外国人」も含めて推計。2035年の日本では、1日あたり
1,775万時間(384万人相当)の労働力不足が見込まれるとした。シニア・女性・外国人など多様な労働参加
により就業者数は6,747万人(2023年)から7,122万人(2035年)に増加するが、1人当たりの年間労働時間は
1,850時間(同)から1,687時間(同)に減少し、労働力不足が深刻化すると指摘している。
https://rc.persol-group.co.jp/news/202410171000.html
●フリーランスとして独立した人の約6割、働き方に「満足」/民間調査
マイナビは21日、「フリーランスの意識・就業実態調査 2024年版」結果を公表した。フリーランスとして
独立した人のうち、約半数が会社員時より収入が「減った」と回答。職種によっては収入が大幅減となるも、
全体の62.1%が働き方に「満足」している。フリーランスとして働く上での不安は、「収入の不安定さ」が
38.8%と最多。取引先との金額・納期・仕事内容に、約5人に1人が「交渉の余地なし」と答えており、
一方、「フリーランス新法」の施行で、3人に1人が契約トラブル防止に「期待できる」「権利を主張しや
すくなりそう」などと回答している。
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20241021_86947/
▽詳細
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2024/10/Freelanceishikisyugyozittai2024v3.pdf
●「賃金のデジタル払い」対応状況アンケート、9割近くの企業が導入予定なし/民間調査
帝国データバンクは16日、企業における賃金のデジタル払いへの対応に関するアンケート調査結果を発表した。
賃金のデジタル払いへの対応を尋ねたところ、「導入に前向き」は3.9%にとどまり、「導入予定はない」が
88.8%。導入に前向きな理由(複数回答)は、「振込手数料の削減」が最多の53.8%、次いで「従業員の
満足度向上」が42.3%。導入予定がない理由(同)は、「業務負担の増加(口座振込との二重運用、
労使協定改定など)」が61.8%で、「制度・サービスへの理解が十分でない」が45.0%、「セキュリティ上の
リスクを懸念」が43.3%となった。有効回答は1,479社(うち大企業199社、中小企業1,280社)。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241016_digitalsalary/
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【企業】
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●マネジメントスキルに基づく評価制度導入、年功的要素を払拭/スギノマシン
高圧ジェット洗浄装置等の産業機械メーカーのスギノマシンは22日、新人事制度の10月からの導入を発表した。
マネジメント力強化のため、「本来マネージャーとしてもっているべき基礎能力」をマネジメントスキル
として詳細に定義し、評価処遇の基準とする。また、2025年4月からスタートする定年(60歳)後再雇用者の
処遇改善では、定年前と同等の役割を担う場合は給与水準を維持、昇格制度の対象とし、定年前より仕事の
難易度を落とす場合はそれに見合う給与水準とするなど、多様な働き方に対応する。さらにマネージャー昇格
について在級年数の要件を大幅緩和し、能力ある若手の早期抜擢を可能とする。
https://www.sugino.com/news/info241022/
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【海外】
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●労組が賃上げ拒否、スト継続 7~9月期は赤字9400億円/ボーイング
ニューヨーク時事によると、米航空機大手ボーイングの労働組合は23日、経営側が提案した4年間で35%の
賃上げを柱とした労働協約を否決した。投票した組合員の6割が反対した。1カ月に及ぶストライキが継続し、
経営に一層打撃を与えそうだ。
スト継続を受け、主力の777型機などの生産停滞が長引き、サプライチェーン(供給網)のさらなる混乱は
不可避の情勢。三菱重工業など日本企業が航空機生産の一部を担っており、こうした企業にも損失が生じる
恐れがある。(ニューヨーク時事)2024年10月24日
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kiji/20241025.html
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【イベント】
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●職場のハラスメント対策講演会/神奈川県
神奈川県かながわ労働センターは12月2日(月)、「~良好な職場環境をつくるために~ハラスメントの最新知識
と対応のポイント」を横浜市中区で開催する。職場で起こるハラスメントの最新知識のほか、対応方針の
周知・啓発のあり方、相談窓口の整備、申し立てを受けた場合の対応など、実務対応のポイントについて、
弁護士(使用者側)である講師が、講義と事例を用いた解説を行う。対象は、経営者、人事労務担当者等。
参加無料。要事前申込、定員150名(先着順)。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/k5n/cnt/f7600/index.html#harasument
●外国人雇用管理実務対応講座/神奈川県労働福祉協会
神奈川県労働福祉協会は12月5日(木)、「外国人雇用管理実務対応講座」をライブ配信(Zoom)で開催する。
外国人を雇用する企業の人事労務担当者が知っておくべき事項や確認しておきたい対応、6月に可決成立した
外国人材の「育成就労制度」(2027年施行見込)の概要や影響などを解説。より良い協働環境を作るために
必要なポイントや、助成金など外国人を雇用する時に役立つ情報等も紹介する。講義翌々日から、
オンデマンド配信も行う。受講料8,250円。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/foreign-employment.html