メールマガジン労働情報 No.1799

■□――【メールマガジン労働情報/No.1799】

経済・物価の現状と対応策について議論/物価・賃金・生活総合対策本部 ほか

―2022年8月19日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】経済・物価の現状と対応策について議論/物価・賃金・生活総合対策本部 ほか
【統計】正規職員・従業員、前年同期比29万人増、2期ぶりの増加/労働力調査・詳細集計4~6月期平均 ほか
【労使】中小企業の賃上げ5,036円、1.92%アップ/経団連
【動向】7割以上が、コロナ禍の企業活動への「影響が継続」/民間調査 ほか
【海外】職業訓練における若者の「希望と妥協」/ドイツ ほか
【イベント】「無料経営診断」を実施/日本生産性本部 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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☆2022年度・第70回「東京労働大学講座専門講座」(会場開催)受講者募集中!

 専門講座では、受講者参加型のゼミナール形式による講義を中心に、理論・実務両面での
課題対応力の強化を目指します。「人事管理・労働経済コース」、「労働法コース」の
2コースがあり、第一線の講師が指導します。多くの方々のご受講をお待ちしております。
https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html

☆第122回労働政策フォーラム(オンライン開催)お申込み受付中!

テーマ:働く人のキャリア支援を考える─これからのキャリアコンサルティングはどうあるべきか
日 時:2022年9月12日(月曜)13:30~17:00
開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
参加費:無料(要予約)
定員:1,000名
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20220912/index.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(8月18日更新)

 国内統計:実質国内総生産
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c12.html

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【行政】
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●経済・物価の現状と対応策について議論/物価・賃金・生活総合対策本部

 政府は15日、第3回「物価・賃金・生活総合対策本部」を開催し、経済・物価の
現状と対応策について議論した。総理は、議論を踏まえ、「物価上昇が国民生活に
大きな影響を与えている中で、持続的な賃上げが重要」とし、「下請け中小企業への
しわ寄せ解消に向けた価格転嫁対策の強化を進める」ことを求めた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202208/15taisakuhonbu.html
(議事次第・資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bukka/dai3/siryou.pdf

●緊急小口資金等の特例貸付、住居確保給付金の特例措置などの申請期間の延長/厚労省 新型コロナウイルス感染症関連

 厚生労働省は9日、新型コロナウイルス感染症の影響で臨時の生活資金が
必要となった世帯を対象とする緊急小口資金と総合支援資金(初回貸付)の
特例貸付、離職・廃業や休業等により住居を失うおそれがある人に対する
住居確保給付金の特例措置(再支給及び職業訓練受講給付金との併給)、
特例貸付を終了したか不承認となった世帯等に対する新型コロナウイルス
感染症生活困窮者自立支援金の申請期限を2022年8月末までとしていたが、
9月末まで延長すると公表した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27157.html
(生活支援特設ホームページ)
https://corona-support.mhlw.go.jp/

●新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aを更新/厚労省

 厚生労働省は、企業向けと労働者向けの「新型コロナウイルスに関するQ&A」
を更新した。企業向けは、感染した労働者が職場復帰する際の留意点(1-問2)、
感染による休業者が多数の場合等の変形労働時間制の変更(5-問1)、自宅や
ホテルで療養した検査陽性者で医師の証明がない場合の休業補償給付の請求(7-問8)
について。労働者向けは、企業向けの1-問2、7-問8と同趣の更新。
企業向け7-問1、労働者向け5-問1は参考資料(6、7)を追加している。
(新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け))
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q7-8
(新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け))
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html

●2022年の民間主要企業春季賃上げ率は2.20%、昨年比0.34ポイント増/厚労省

 厚生労働省は5日、2022年「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」を公表した。
平均妥結額は6,898円で、前年(5,854円)に比べ1,044円の増。賃上げ率は2.20%で、
前年(1.86%)に比べ0.34ポイントの増。集計対象は、妥結額(定期昇給込みの
賃上げ額)などを把握できた資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合
のある企業358社。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27034.html

●新たに36万人余が「技能士」に 2021年度「技能検定」/厚労省

 厚生労働省は5日、2021年度の「技能検定」実施状況を公表した。受検申請者数の
合計は97万2,416人で、前年度比10万965人(11.6%)の増加。合格者数の合計は
36万8,036人で、同4,303人(1.2%)の増加。制度創設当初からの合格者数の累計は、
800万5,382人。技能検定制度は、働く上で身につけるべき、または必要とされる
技能の程度を国が証明するもので、「ファイナンシャル・プランニング」、
「機械保全」、「機械加工」、「機械検査」、「プラスチック成形」など130職種で
実施している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27241.html

●専門実践教育訓練の指定講座を新規指定/厚労省

 厚生労働省は3日、教育訓練給付の対象となる「専門実践教育訓練」の2022年10月1日付け
指定講座を公表した。デジタル技術の進展に対応する人材育成を行う第四次産業革命スキル
習得講座や、介護福祉士などの資格取得のための養成課程など、計139講座を指定した。
働きながら学びやすくする環境を充実する観点から、オンライン講座14講座、夜間講座9講座、
土日講座9講座も新たに指定した。これにより、専門実践教育訓練給付の対象講座は
10月1日時点で2,671講座となる。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27180.html

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【統計】
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●正規職員・従業員、前年同期比29万人増、2期ぶりの増加/労働力調査・詳細集計4~6月期平均

 総務省は9日、「労働力調査(詳細集計)」結果を公表した。2022年4~6月期
平均の役員を除く雇用者は5,701万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比
29万人増の3,617万人で2期ぶりの増加。非正規の職員・従業員は、同15万人増の
2,084万人で2期連続の増加。失業者は前年同期比27万人減の207万人、失業期間別に
みると、失業期間「3カ月未満」の者は83万人で13万人の減少、「1年以上」の者は
72万人で3万人の減少。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/index.html
(結果の概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf

●死傷者数は前年同期比で35%増加/労働災害発生状況(2022年8月速報)

 厚生労働省は18日、2022年の労働災害発生状況(8月速報値)を公表した。
休業4日以上の死傷者数は9万8,181人(前年同期比35.4%増)。業種別では
第三次産業の6万2,597人(同60.5%増)が最多。事故の類型別では、「その他」
(主に感染症による労働災害)3万5,546人(同239.9%増)が最多、次いで
「転倒」1万7,625人(同4.6%増)など。死亡者数は395人(同0.5%減)。
業種別では建設業139人(同3.0%増)、第三次産業99人(同4.2%増)、
製造業84人(同20.0%増)など、事故の類型別では「墜落・転落」112人
(同4.7%増)が最多。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/22-08.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html

●2022年4~6月期のGDP実質成長率、年率2.2%/内閣府

 内閣府は15日、2022年4~6月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表した。
GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が0.5%、年率換算で2.2%。需要項目別では、
民間最終消費支出が実質1.1%(1~3月期は0.3%)、うち家計最終消費支出は実質1.2%
(同0.3%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質マイナス0.9%、名目0.5%。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2022/qe222/gdemenuja.html

●基調判断「持ち直しの動きがみられる」で据え置き/機械受注統計調査報告6月実績

 内閣府は17日、機械受注統計調査報告(2022年6月実績)を公表した。
機械受注総額は、前月比2.2%減の2兆9,597億円(季節調整値)。民間設備投資の
先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、同0.9%増の9,170億円。このうち、
製造業は同5.4%増、非製造業(船舶・電力を除く)は同0.0%減。基調判断は
「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2022/2206juchu.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2022/2206gaiyou.pdf

●6月の生産指数、前月比9.2%上昇/鉱工業指数

 経済産業省は15日、6月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は96.1で、前月比9.2%の上昇。
業種別にみると、自動車工業、電気・情報通信機械工業、生産用機械工業等が上昇。
出荷は同5.0%上昇、在庫は同1.9%上昇、在庫率は同1.4%低下。速報と比べて、
生産、出荷は上方修正、在庫、在庫率は下方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要冊子)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202206kj.pdf

●7月の輸入物価指数、契約通貨ベースで前年比約25%上昇/日銀

 日本銀行は10日、企業物価指数(2022年7月速報)を公表した。輸入物価指数は、
ドルなどの契約通貨ベースで前月比0.8%、前年比25.4%、円ベースで前月比2.4%、
前年比48.0%、それぞれ上昇。前月比での上昇への寄与度は、石油・石炭・天然ガス
(0.98%)、化学製品(0.08%)など。国内企業物価指数は、前月比0.4%、
前年比8.6%の上昇。前月比での上昇への寄与度は、電力・都市ガス・水道(0.39%)、
飲食料品(0.21%)、鉄鋼(0.16%)など。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2207.pdf

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【労使】
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●中小企業の賃上げ5,036円、1.92%アップ/経団連

 経団連は9日、「2022年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果」(最終集計)
を発表した。調査対象である従業員500人未満の17業種754社のうち、回答が示された
のは17業種385社。うち平均金額が不明等の8社を除く377社の賃上げ妥結水準は、
加重平均で5,036円(前年同期4,376円)、1.92%(同1.68%)のアップ。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/075.pdf

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【動向】
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●7割以上が、コロナ禍の企業活動への「影響が継続」/民間調査

 東京商工リサーチは18日、第23回「新型コロナウイルスに関するアンケート」
調査結果を発表した。新型コロナ感染者数が高止まりするなか、企業活動への
「影響が継続している」と回答した企業は71.9%で、前回(6月)比3.2ポイント
増加した。「影響が出たがすでに収束した」は9.5%にとどまり、同5.6ポイント
下落した。在宅勤務を「現在、実施している」と回答した企業は33.0%で、
同3.9ポイント増加した。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220818_01.html
(詳細)
https://img03.en25.com/Web/TSR/%7B034b6abb-5608-45a2-b1c4-a743e65fd248%7D_20220818_TSRsurvey_CoronaVirus.pdf

●円安で8割弱の企業がコスト増/民間調査

 帝国データバンクは16日、「円安に関する企業の影響アンケート」調査結果を
発表した。円安傾向により「コストの増加」の影響を受けている企業は77.7%。
業界別では、「卸売」(85.1%)、「製造」(83.7%)、「運輸・倉庫」(83.2%)
など。「コストの増加」以外の影響として、消費者による「国内における買い控え」、
「販売価格への転嫁が進んだ」(ともに12.0%)など。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220806.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220806.pdf

●9割以上の学生が内定先で入社前の仕事体験を希望/民間調査

 採用コンサルティング事業などを行うプレシャスパートナーズは5日、2023年卒の
学生を対象とした「就職活動・内定後に関する調査」結果を発表した。「内定先で
入社前に仕事体験をしたい」との回答は91.1%、「内定先でのイベントなどに
参加したい」は96.2%にのぼった。仕事体験などを通して入社後に働くイメージを
持ちやすくするようなフォローアップが、入社後のミスマッチ防止や、早期離職を防ぐ
カギになるのではとしている。
https://www.p-partners.co.jp/information/2022/pp220805/

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<ドイツ>
▽職業訓練における若者の「希望と妥協」

 ドイツでは若者の学校から職業への移行に際して、伝統的に「職業訓練」を重視している。
特に「デュアルシステム」による職業訓練が中心的な位置を占めており、希望職種の訓練への
参加の可否が、その後の就職に大きな意味を持つ。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/08/germany_01.html

▽男性の「育休」受給率、過去最高の43.5%

 連邦統計局がこのほど発表した資料によると、2019年における父親の育休手当(両親手当)
受給率は、連邦レベルで43.5%であった。前年より1.4ポイント上昇し、過去最高を記録した。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/08/germany_02.html

<フランス>
▽法定最賃(SMIC)、22年3回目の引き上げ―インフレに伴う自動引き上げ

 法定最低賃金(SMIC)が8月1日に時給11.06ユーロへ引き上げられた。21年半ば以降
急激な物価上昇が続いており、5月1日に続いて、3カ月で更なる引き上げとなった。
SMICの急激な引き上げに産業別協約の改定が追いつかず、各産業の協約が定める最低賃金が
SMICを下回る産業が増えており、今回の引き上げによって9割に達するという分析もある。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/08/france_01.html

●フォーカス/JILPT

<ドイツ>
▽ドイツの国家公務員の働き方

 日本の公務員、中でも「官僚」というイメージで語られることの多い国家公務員の
長時間労働問題が主題とされていたことから、ドイツにおける比較対象としては、
軍や警察等の権力的職務を除けば、日本でいうところの「官僚」のイメージで
語られることの多い、公法上の特殊な地位にある官吏(ドイツには、もう一つの類型の
公務労働従事者として、民間労働者と法的地位の基礎を同じくする私法上の公務被用者
ないし協約被用者がある)、中でも、連邦官吏の働き方(ドイツは連邦制国家であるため、
州政府も存在しており、近時では各州が独自の規律を定める余地も拡大しているが、
連邦に倣っていることもいまだある)に着目することとした。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2022/08/germany.html

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【イベント】
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●「無料経営診断」を実施/日本生産性本部

 日本生産性本部は、ベテラン経営コンサルタントによる「無料経営診断」を
行っている。「経営コンサルタント養成講座」の受講生(10名前後)が会社を訪問し、
客観的な第三者の目で、経営課題を体系的に整理し、会社の実情に合った改善案を
提示する。対象は全業種で、売上規模3億円以上、従業員規模10名以上だが、
目安に満たない場合も相談に応じる。
https://www.jpc-net.jp/consulting/mc/diagnosis_management/

●パワーハラスメント相談窓口担当者研修 基本コース/中央労働災害防止協会

 中央労働災害防止協会は9月1日、「パワーハラスメント相談窓口担当者研修
基本コース」を港区で開催する。パワーハラスメント相談窓口担当者に求められる
基本的な知識に加えて、グループワークによるパワーハラスメント相談実務
について学ぶ。参加費24,200円。定員36名。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3520_sp.html

●労働セミナー「パートタイム・有期雇用労働者に関する雇用ルールの要点」/東京都労働相談情報センター

 東京都労働相談情報センターは8月24日から9月13日まで、労働セミナー
「パートタイム・有期雇用労働者に関する雇用ルールの要点」をオンライン
(オンデマンド配信)で開催する。パートタイム・有期雇用労働者の雇用管理を
適正に行うためのルールや実務対応の要点について解説する。受講無料。定員200名。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-zchuo-001254