メールマガジン労働情報 No.1752

■□――【メールマガジン労働情報/No.1752】

2021年10~12月期のGDP実質成長率、年率5.4%/内閣府 ほか

―2022年2月16日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】来年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考期日を公表/厚労省 ほか
【統計】2021年10~12月期のGDP実質成長率、年率5.4%/内閣府 ほか
【労使】「Innovating Migration Policies―2030年に向けた外国人政策のあり方―」を発表/経団連
【動向】2022年度、企業の約55%で賃金改善を見込む/民間調査 ほか
【企業】定年年齢を65歳へ/豊田合成
【イベント】シンポジウム「AIなどの新しいテクノロジーは労働市場をどう変えるか?」/「人と情報のエコシステム」研究プロジェクト ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇ディスカッションペーパー 22-02『「賃金構造基本統計調査」、「就業構造基本調査」を利用した労働投入計測の精緻化』

 全要素生産性(TFP)の計測には、就業者数や総労働時間ではなく労働投入指数を用いることが
標準的ですが、国民経済計算(SNA)には労働投入指数が掲載されていないことから、SNAベースで
利用可能な労働投入指数を『賃金構造基本統計調査』や『就業構造基本調査』の個票を利用して
計測しました。その際、労働サービスの質の違いに基づいて、5つの属性区分を設定し、各ケースの
労働投入指数を推計しました。その結果、属性の区切り方によって労働投入指数に幅が生じること、
その指数を活用して労働生産性やTFPを計測すれば、当然ながらそれらの値にも幅が生じることから、
生産性に関して議論する際には、適切な区分による労働投入指数を用いることが重要であるとの
示唆を得ました。
https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2022/22-02.html

◇ディスカッションペーパー 22-01『最低賃金近傍で働く労働者比率に関する指標の国際比較による検討』

 「影響率」や「未満率」、「一致比率」、「最低賃金以下比率」など最低賃金の影響を測る指標
について整理するとともに、その国際比較を行いました。アメリカの方法に倣って、日本とイギリスの
指標を推計し、3カ国を比較したところ、アメリカの連邦最低賃金の「一致比率」は低下しており、
賃金の下支え効果を失いつつあること、イギリスでは「一致比率」のみ堅調に上昇していたが、
2016年の全国生活賃金の導入後は「一致比率」が低下し、「未満率」が増加しており、一部企業が
急速な最低賃金上昇にキャッチアップできていない可能性が見て取れました。そして日本においては、
2016年以降、年3%台で地域別最低賃金が引き上げられましたが、この間の「未満率」は横ばいである
のに対し、「一致比率」は微増しており、地域別最低賃金が穏やかに日本の賃金を下支えしている
ことが確認されました。
https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2022/22-01.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆第120回労働政策フォーラム(オンライン開催)お申込み受付中!

テーマ:ワーク・ライフ・バランス研究の新局面─データ活用基盤の整備に向けて─
日時:2022年3月3日(木曜) 13時30分~16時45分(ライブ配信)
開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
主催:独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)/
   日本学術会議 経済学委員会ワーク・ライフ・バランス研究分科会
参加費:無料(要予約)
定員:1,000名
申込期限:3月2日(水曜)15時まで

 ワーク・ライフ・バランスに関する最新の研究成果を報告するとともに、
研究の発展に必要なデータの活用・基盤整備のあり方について議論し、
新たな時代におけるワーク・ライフ・バランス実現の課題や有効な政策について
経済学的観点から検討します。
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20220303/index.html

◇研究双書『解雇の金銭解決制度に関する研究─その基礎と構造をめぐる日・独比較法的考察』発売中!

 我が国における解雇の金銭解決制度の立法化をめぐる議論を
ドイツ法との比較で考察した学術的体系書です(山本 陽大 著)。
【A5判397頁、定価:3,850円(本体3,500円) 12月24日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/sosho/dismissal/index.html

◇『ユースフル労働統計2021―労働統計加工指標集―』発売中!

 既存の労働統計から新しい統計指標を計算する方法と結果を紹介する資料集です。
【A5判368頁 定価:1,650円(本体1,500円) 11月30日刊行】
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2021/index.html

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【新型コロナウイルス感染症関連情報】
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☆新型コロナウイルス感染症関連情報

 JILPTでは、「新型コロナウイルス感染症関連情報」のホームページを開設し、
緊急コラムや新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響(国内統計、国際比較統計)、
個人と企業を対象とした連続パネル調査の結果とその二次分析などについて掲載しています。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html

 ▽最近の更新情報
  国内統計:未活用労働指標(2月16日)
  https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c24.html
  国内統計:実質国内総生産(2月15日)
  https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c12.html

 ▽ピックアップ
  『コロナ禍における個人と企業の変容─働き方・生活・格差と支援策』(慶応義塾大学出版会)発売中!
  連続パネル調査の結果データを分析した書籍です。
  https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/book/20211125.html

新型コロナウイルス感染症関連情報の英語版はこちら
https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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【行政】
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●来年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考期日を公表/厚労省

 厚生労働省は14日、来年3月に高等学校を卒業する生徒の採用選考期日等
を公表した。ハローワークによる求人申込書の受付は6月1日開始、企業による
学校への求人申込及び学校訪問は7月1日開始、学校から企業への生徒の
応募書類の提出は9月5日(沖縄県は8月30日)開始、企業による選考及び
採用内定は9月16日開始としている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23853.html

●改正育児・介護休業法の施行に向けてパンフレットを更新/厚労省

 厚生労働省は、2022年4月1日から段階的に施行される改正育児・介護休業法
に対応して、パンフレット「男女雇用機会均等法、育児・介護休業法のあらまし」
を更新した。改正法により、4月からは育児休業を取得しやすい雇用環境整備や
妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認が義務化され、
10月からは男性の育児休業取得を促進する「出生時育児休業制度」がスタートする。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193221.html
(改正法概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000788616.pdf

●船員の労働時間管理を行うツールを公開/国交省

 国土交通省は、船員の労働時間の記録・管理を簡易的に電子化・効率化するための
ツールとして、労務管理記録簿のデータを「船員の働き方改革」特設ページに公開
している。本年4月以降、改正船員法の施行により、船舶所有者は船員の労務管理を
行う主たる事務所において、労働時間の把握や記録を行うことが求められる。
同ツールにより、労働時間等を記録するとともに、船員法施行規則により新設された
様式に則って労務管理記録簿を作成することが可能となる。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji04_hh_000214.html
(報道発表資料)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001463481.pdf
(「船員の働き方改革」特設ページ)
https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk4_000026.html

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【統計】
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●2021年10~12月期のGDP実質成長率、年率5.4%/内閣府

 内閣府は15日、2021年10~12月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表した。
GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が1.3%、年率換算で5.4%。需要項目別では、
民間最終消費支出が実質2.7%(7~9月期はマイナス0.9%)、うち家計最終消費支出は
実質2.8%(同マイナス1.0%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質0.3%、名目マイナス0.3%。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2021/qe214/gdemenuja.html

●正規職員・従業員、前年同期比14万人増、9期連続の増加/労働力調査・詳細集計10~12月期平均

 総務省は15日、「労働力調査(詳細集計)」結果を公表した。2021年10~12月期
平均の役員を除く雇用者は5,627万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比
14万人増の3,542万人で9期連続の増加。非正規の職員・従業員は、同24万人減の
2,085万人で2期連続の減少。失業者は前年同期比25万人減の194万人、
失業期間別にみると、失業期間「3カ月未満」の者は70万人で5万人の減少、
また「1年以上」の者は66万人で7万人の増加。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/index.html
(結果の概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf

●12月の生産指数、前月比1.0%低下/鉱工業指数

 経済産業省は15日、12月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は96.5で、前月比1.0%の低下。
業種別にみると、汎用・業務用機械工業、生産用機械工業、食料品・たばこ工業等
が低下。出荷及び在庫はいずれも同0.1%上昇、在庫率は同0.5%低下。速報と比べて、
生産は変わらず、出荷は上方修正、在庫、在庫率は下方修正であった。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要冊子)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202112kj.pdf

●要介護(要支援)認定者数は約690万人/11月介護保険事業状況報告

 厚生労働省は10日、「介護保険事業状況報告」(2021年11月暫定版)を公表した。
2021年11月末現在、要介護(要支援)認定者数は690.1万人で、うち男性219.3万人、
女性470.8万人。第1号被保険者(3,588万人)に対する65歳以上の認定者数の割合は
約18.9%。
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m21/dl/2111a.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m21/2111.html

●介護サービス受給者、約459万人/介護給付費等実態統計(10月)

 厚生労働省は9日、「介護給付費等実態統計月報」(2021年10月審査分)を
公表した。受給者総数は、介護サービス458万7,700人、介護予防サービス84万2,600人、
受給者1人当たり費用額は、介護サービス19万6,300円、介護予防サービス2万7,800円。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/2021/dl/202110_gaiyou.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/2021/10.html

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【労使】
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●「Innovating Migration Policies―2030年に向けた外国人政策のあり方―」を発表/経団連

 経団連は13日、「Innovating Migration Policies―2030年に向けた外国人政策のあり方―」
を発表した。2030年のビジョンを、世界から優れた才能や技能・新しい価値観が集まることで、
産業競争力の強化と持続的発展に貢献するなどとし、ビジョンを実現するための3原則として、
(1)単に「受け入れる」国から、必要な外国人材を戦略的・積極的に「誘致する」国への転換
(2)外国人が「活躍できる」国となるための「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」
(3)学ぶ、住む、働く、家族形成、引退という外国人のライフサイクルを俯瞰した面的政策
をあげている。
(説明資料)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/016_gaiyo.pdf
(提言・報告書)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/016_honbun.html#s2

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【動向】
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●2022年度、企業の約55%で賃金改善を見込む/民間調査

 帝国データバンクは10日、「2022年度の賃金動向に関する企業の意識調査」
結果を発表した。2022年度に賃金改善があると見込む企業は54.6%(2021年度
見込み比12.6ポイント増)となり、2年ぶりに5割を上回った。賃金改善の
具体的な内容は、「ベースアップ」は46.4%(前年比10.5ポイント増)、
「賞与(一時金)」は27.7%(同7.4ポイント増)で、それぞれ前年から増加。
「ベースアップ」は19年度の45.6%を上回り、過去最高の水準となった。
賃金改善の理由では「労働力の定着・確保」が76.6%で最多。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220205.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220205.pdf

●家事・育児を行うメリット、男性育休取得者の半数以上が「仕事の効率化」と回答/21世紀職業財団

 21世紀職業財団は2日、「子どものいるミレニアル世代夫婦のキャリア意識
に関する調査研究」結果を発表した。育児休業を取得した男性が、家事・育児を
行ってよかったとしたのは、「効率的に仕事を行うようになった」(55.7%)、
「視野が広がりこれまでと違った発想ができるようになった」(32.9%)など。
配偶者(夫)が保育園や幼稚園への「お迎え」を週1回以上行うと、女性自身が
キャリアアップできていると思う割合が高い傾向にあるとしている。
https://www.jiwe.or.jp/research-report/2022
(記者発表資料)
https://www.jiwe.or.jp/application/files/7316/4420/3122/release20220202.pdf

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【企業】
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●定年年齢を65歳へ/豊田合成

 豊田合成株式会社は14日、2022年4月から全従業員の定年年齢を現行の60歳から
65歳に引き上げると発表した。65歳まで昇給があり、退職金制度は65歳まで
継続する。「65歳定年制」を導入することにより、豊富な経験やこれまで
培ってきた技術を次世代に引き継いでいくことで、会社の総合力を高めていく
としている。
https://www.toyoda-gosei.co.jp/news/detail/?id=1053

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【イベント】
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●シンポジウム「AIなどの新しいテクノロジーは労働市場をどう変えるか?」/「人と情報のエコシステム」研究プロジェクト

 「人と情報のエコシステム」研究プロジェクトは3月1日、慶應義塾大学パネルデータ
設計・解析センター、東京大学政策評価研究教育センターと共催で、シンポジウム
「AIなどの新しいテクノロジーは労働市場をどう変えるか?」をオンラインで開催する。
「人と情報のエコシステム」の研究プロジェクト「人と新しい技術の協働タスクモデル:
労働市場へのインパクト評価」の概要と現状説明、研究成果発表、パネルディスカッション
を行う。参加無料。
https://www.pdrc.keio.ac.jp/ristex_20220301/

●シンポジウム「新型コロナウイルスがインドネシア、ベトナム、インドの労働経済に与えた影響とニューノーマルな働き方」/海外産業人材育成協会

 海外産業人材育成協会は3月10日、シンポジウム「新型コロナウイルスがインドネシア、
ベトナム、インドの労働経済に与えた影響とニューノーマルな働き方」をオンラインで開催する。
コロナ禍の中でインドネシア、ベトナム、インドの労働経済がどのような影響を受けているのか、
この危機を乗り越えるためにどのような対策をおこなっているのか、現地の使用者団体より
話を聞く。参加無料。定員50名。日英同時通訳付き。
https://www.aots.jp/hrd/ibe/employment/report03-10/