ビジネス・レーバー・トレンド2024年1・2月号
毎月25日更新
外国人や外国にルーツを持つ人たちの労働と生活
わが国の在留外国人数は300万人を超え、外国人労働者数は2022年10月末現在で約182万人と過去最高を更新した。一方、外国人労働者や外国人世帯をめぐっては、労働環境や人権、日本社会への適応などの面において、さまざまな課題も生じており、人権に配慮しつつ、経済・社会を支える一員として、安心して能力が発揮できる労働環境や安心して暮らせる生活環境の整備が重要になっている。本号では、外国にルーツを持つ世帯の労働や子育てをテーマに取り上げた労働政策フォーラムでの議論や、労働組合の外国人労働者に対する取り組みの現状、政府の直近の動向などを紹介し、日本に暮らす外国人・外国人世帯が働きやすく、暮らしやすい環境をどうつくっていったらよいのかを考える。
目次
労働政策フォーラム
外国にルーツを持つ世帯の子育てと労働を考える
2023年10月に開いた労働政策フォーラムでは、雇用形態や失業によって貧困に陥るリスク、生活するうえで必要な情報へのアクセス、言葉の問題、社会とのつながりなど、外国にルーツを持つ世帯がさまざまな課題に直面するなか、研究者の報告と、NPO、地域、行政それぞれが展開する現場での支援の取り組みの紹介をふまえ、課題解決や支援のあり方について議論した。(各報告およびパネルディスカッションの概要は調査部で再構成したものを掲載している。)
(※講師の所属・肩書きは開催当時のもの)
【研究報告(1)】
【研究報告(2)】
【研究報告(3)】
外国ルーツ世帯の労働と子どもの生活─ワーキングプア世帯の子どもの居場所─
【事例紹介(1)】
【事例紹介(2)】
地域の取組「南米系の子ども・若者と家族の置かれた状況から考える」
【事例紹介(3)】
【パネルディスカッション】
労働組合の取り組み
〔取材〕
〔調査報告〕
政府の動向
ビジネス・レーバー・モニター定例調査
雇用動向や人事労務管理面での変化・課題などについて、モニター委嘱先(企業、事業主団体、産業別労組、単組)を対象に、企業・団体には年4回、労働組合には年2回、アンケート調査を実施しています。
<産別・単組調査 2023年度第1回>
今回の産別・単組調査では、モニターの産別、単組に対し、①外国人組合員や外国人従業員への対応・取り組み②2023年定期大会で決定・補強した運動方針や大会の特徴――について尋ねた。(調査部)
【①外国人組合員や外国人従業員への対応・取り組み】
【②2023年定期大会で決定・補強した運動方針や大会の特徴】
- コロナ禍で失われた一体感ある組合活動を取り戻そうとする動きも ――【産別】定期大会のハイライト
- 組合員減少に伴う課題の整理と人材育成の検討のほか、交流の活発化を目指す方針も ――【単組】定期大会のハイライト
<企業・業界団体調査 2023年7~9月期の業況実績/10~12月期の業況見通し>
スペシャルトピック
注目度の高い国内のトピックスを、より詳しく紹介します。
- 発注者側に経営トップの関与や定期的な協議の実施を求める ――内閣官房と公正取引委員会が「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表
- 災害時の報告、防止措置、教育、健康診断などでの労働者同様の適用を求める ――厚生労働省「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」報告書
国内トピックス
行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。
- 賃上げ実施企業が9割近くにのぼり、「1人平均賃金の改定額」が1993年以来の9,000円台に ――厚生労働省の2023年「賃金引上げ等の実態に関する調査」結果
- 不合理な待遇格差解消のため4割の派遣先事業所に料金引き上げの要望あり ――厚生労働省の2022年「派遣労働者実態調査」
- 雇用者の7割超が勤務時間外にもかかわらず部下・同僚・上司から連絡をうける ―――連合「つながらない権利に関する調査2023」
フォーカス
労働政策研究・研修機構(JILPT)は2023年11月29日、アメリカン大学(ワシントンD.C.)のステフェン・シルヴィア教授を講師に迎え、「なぜアメリカの労働者はストライキをするのか(そして勝つのか)?」と題する国際研究会を開催した。シルヴィア教授は1990年にイエール大学で政治学の博士号を取得後、フランスやドイツでの滞在研究を経て、アメリカン大学で教鞭を執っている。本研究会では、豊富な労働経済データとともに、ストライキ増加の要因を6つの角度から説明した。(海外情報担当)
海外労働事情
海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。
- イギリス
- 外国人の流入削減案 ―家族の帯同禁止や給与基準の引き上げなど
- ドイツ①
- 労働時間をめぐる労働者の希望と現実 ―IAB調査
- ドイツ②
- 父親の育休受給率、43.7% ―前年比0.2ポイント増
- フランス
- 法定最低賃金(SMIC)専門家委員会の報告書 ―24年1月の改定は物価上昇並みの引き上げにとどめるよう勧告
- 中国
- 2024年の新卒者の就職支援を強化
ちょっと気になるデータ
最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)
2023年12月25日掲載