組合員減少に伴う課題の整理と人材育成の検討のほか、交流の活発化を目指す方針も
 ――【単組】定期大会のハイライト

ビジネス・レーバー・モニター産別・単組調査

単組からは、2023年に決定した運動方針・補強方針について、組合員が減少するなかでの課題整理や人材育成、組織力の強化を検討するなどの内容がみられた。また、新型コロナの5類移行などを背景に、交流の活発化を目指す方針を策定した組織もあった。

魅力ある労働条件の追求と企業発展の好循環を目指す――造船・重機

【造船・重機】では2単組から報告があった。A社単組は4つの専門部に分かれて活動していることから、それぞれのテーマを運動方針に掲げた。具体的には、①【組織部】多様なコミュニケーションを活用し、組織力の強化をめざして②【経営安全部】多様な働き方と、心身ともに安全で安心できる職場環境づくりで、仕事と生活の両立をめざして③【賃金福祉活動】魅力ある労働条件の追求と企業発展の好循環の実現をめざして④【教育広報活動】教育の充実と親しみやすい広報をめざして――となっている。

組織人員減少下での活動面や財政面の課題を整理

【造船・重機】のB社単組は定期大会で特別報告として、前期から活動を実施している組織・活動対策委員会の中間答申を報告した。組織人員の継続的な減少に歯止めがかからない状況のなかで、活動面や財政面などの各種課題整理を行い、検討の方向性を示したもの。内容は、①連合会のあるべき姿・進むべき方向性②組織人員に見合った専従体制③専門部・労使協議体制の見直し④本部・地区本部活動の見直し――の4点で、具体的な対策を今期に検討していくこととした。

労働条件の向上や人材育成などの活動を推進――非鉄金属

【非鉄金属】の単組は、「安全最優先、雇用の維持・確保、労働条件の向上、次代を担う人材育成と組織力の強化」を基本に据え、運動を展開していくとした。重点項目には①保安・安全衛生②雇用の安定・確保③労働条件向上④組織の強化と拡大・人材育成⑤政策実現――の5つの取り組みを掲げている。

ジョブ型人事制度の導入を見据え、組合としてサポートに注力――電機

【電機】の単組は、2024年度からジョブ型人材マネジメントが導入されることを見据え、「働き方やキャリアに対する自律が求められている」としたうえで、「労働組合としてもそれをサポートする取り組みに注力する点が例年からの変化と言える」と報告した。

組合員がより自立した存在になることを後押し――自動車

【自動車】では2単組から報告があった。C社単組は、向こう10年を見据えた組合としてのミッション・ビジョン・バリューを新たに設定し、それと連動した運動方針とした。具体的には、労働条件や働き方の取り組みなど、従来から組合として取り組んできた活動に加え、組合員がより自立した存在になるための後押しなどの新たな活動を方針に掲げた。

魅力ある職場づくりや生産現場の働き方改善を

【自動車】のD社単組は、「魅力ある企業と職場づくり」「職場における労使の更なるコミュニケーションの充実」「生産現場の働き方改善、風土の醸成・安全な職場づくり」「安全最優先を常に実行できる風土づくり」を掲げた。

「つながる」ことを運動方針に追記――化学

【化学】の単組は、「ひとり一人がつながり、ひとり一人と一緒に考え、ひとり一人と一緒に創ることを通じて、組合員と労働組合が共に成長する3年間として活動を推進する」方針。さらに、「つながる」ことを追記して、組合員が主役・主体者となって、組合員同士で、あるいは組合・組合役員と、地域・社会とつながることを目指す。具体的な取り組みに、①人財と組織の活力と成長を目指す「職場自治」②ひとり一人が主役の対話③ひとり一人が、つながり、考え、創る支部活動――を掲げた。

活動をコロナ禍以前に戻す――陶業

【陶業】の単組は、新型コロナの5類移行に伴い、「コロナ以前の活動に戻していく」とした。特に役員の教育機会として、社内交流だけでなく社外交流の機会も積極的に提供していく。また、各種専門部の取り組みを活発にするため、専門部会を定期的に開催し、担当役員を積極的に巻き込み、活動を進めていく。

「つながり」がもたらす価値を知り高める活動を――医薬品

【医薬品】の単組は、2023年度の運動方針に「つながりがもたらす価値を知り、高めること」を掲げた。組合員全員がつながりの重要性を理解し、支部で実施される活動の目的・必要性に意識を向けることを目指す。組合員が意欲的に活動に参加することで、つながりが効果を発揮し、価値を高めることにつながると考えている。

あるべき賃金水準に近づける要求を――事務・精密機器

【事務・精密機器】の単組は、非専従の執行委員が多いため、執行委員の自職場を中心とした課題に対し、組合で解決できる課題を抽出し、その解決に取り組む。ここ数年の、職場委員の女性比率は、従業員比率と同数程度を確保。職場委員会を通じて女性の意見もしっかりと聞ける体制ができたと判断し、女性委員会を解散した。

また、労働条件については、引き続き物価高騰が続いているなか、ベアの必要性に留意するものの、従業員のあるべき賃金水準を多角的に調査し、その水準に近づける金額を要求する。

働きがいの向上や将来の人材育成を――化繊

【化繊】の単組は、運動方針に「経営施策に対する組合チェック機能の発揮」「働きがい向上と将来の人材育成のための組合対応」「組合の組織運営と活動強化」を掲げている。

2024年1・2月号 ビジネス・レーバー・モニター産別・単組調査の記事一覧

【①外国人組合員や外国人従業員への対応・取り組み】

【②2023年定期大会で決定・補強した運動方針や大会の特徴】