調査シリーズ No.24
第4回 日系グローバル企業の人材マネジメント調査結果

平成 18 年 10 月 6 日

概要

 日本企業の 2005 年の対外直接投資は対前年比で 50.7 %と大幅に上昇し、1990 年以降で最高の 5 兆 459 億円に達しました。こうした傾向は年ごとに変動はあるものの、中長期的にみれば日本企業の海外投資は今後も増加していくものと考えられています。投資先国において多くの労働者を雇用して事業を進める日系企業は、現地において人材開発を進め、安定した労使関係を築いて紛争を招くことなく事業活動を展開する必要があります。そのために現地の雇用慣行、労働慣行に適合しながら、現地の社会環境にあった人事労務管理システムを構築する努力を続けています。

当機構ではこうした海外進出日本企業の「人事労務管理に関する実態」を把握することを目的に、継続的な調査を行っており、このほど 2005 年 10 月に実施した調査の結果をとりまとめました。主な調査結果は以下のとおりです。

なお、この調査は 1999 年に初めて実施し、今回が第4回目です。

・日本国籍者の現地採用は増加し、 1 人以上の現地採用日本国籍者がいる企業は回答企業全体の 36.9 %、 1 社平均 3.2 人。

・取締役以上の日本人の派遣理由として「日本本社との調整に必要だから」を挙げる現地法人は、第1回調査( 1999 年)の 7 割から今回 6 割へと徐々に減少し、「現地従業員が十分に育成されていないから」という理由も 4 割から 2 割へと減った。

・ホワイトカラーの人事制度は、ローカル企業への準拠度が最も強く、日本本社がそれに続き、グループ内兄弟企業とする企業は最も少なかった。

・今後 3 年間の現地従業員数について、「現状維持」との回答が最も多かった前回調査( 2003 年)に対し、今回は「増やす」との回答が最も多かった。中でも中国や北米において増員を予想する法人が多い。

本文

執筆担当者

白木 三秀
(早稲田大学政経学部教授)
坂井 澄雄
(労働政策研究・研修機構 国際研究部研究交流課長)
永井 裕久
(筑波大学大学院ビジネス科学研究科経営システム科学専攻教授)
藤本 真
(労働政策研究・研修機構 企業と雇用部門研究員)
戎野 淑子
(嘉悦大学経営経済学部助教授)
熊迫 真一
(早稲田大学大学院博士後期課程)
高畑 正人
(労働政策研究・研修機構 国際研究部研究交流課)
梅澤 隆
(国士館大学経済学部教授)

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