労働政策研究報告書 No.206
労働者性に係る監督復命書等の内容分析

2021年2月10日

概要

研究の目的

労働基準監督署において取り扱った労働者性に係る事案の内容分析を通じて、1985年労基研報告の労働者性判断基準の運用実態を明らかにする。

研究の方法

労働基準監督行政が作成した監督復命書及び申告処理台帳のうち、その中に「労働者性」「個人事業主」という文言の含まれているものの提供を受け、その内容分析を行う。

主な事実発見

労働者性の判断状況は、全122件のうち労働者性ありとする事案が27件(22.1%)、労働者性なしとする事案が37件(30.3%)、労働者性の判断に至らなかった事案が58件(47.5%)となっており、半数近くが労働者性の判断に至っていない。また労働者性を判断したもののうち、否定的な判断が肯定的な判断を上回っている。職種別・業種別分析は報告書を参照。

政策的インプリケーション

近年情報通信技術の急速な発展により、契約上は「労働者」ではないが、その就労の実態はこれまでの雇用契約に基づくものとほとんど変わらないような新たな就業形態の者をどう扱うべきかが、世界共通に大きな政策課題として持ち上がってきている。7月17日閣議決定の「成長戦略実行計画」において、「フリーランスの環境整備」の中に「現行法上「雇用」に該当する場合には、契約形態にかかわらず、独占禁止法等に加え、労働関係法令が適用されることを明確化する」とされ、また同日の規制改革実施計画においても「厚生労働省は、労働基準監督署等を通じ労働者性の判断基準を分かりやすく周知し、問題が認められる場合にはその是正を図る。」とされている。このような状況のなか、労働基準監督現場における労働者性に係る事案の実態を明らかにすることの政策的意義は大きい。

政策への貢献

フリーランスの働く環境を整備するためのガイドライン策定に活用。

本文

研究の区分

緊急調査

研究期間

令和元~2年度

研究担当者

濱口 桂一郎
労働政策研究・研修機構研究所長

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