海外の大規模災害復興対策 (2):アメリカ
アメリカの災害復興支援はどのように行われたか
—2005年ハリケーン等被害に対する雇用支援策を中心に
- カテゴリー:東日本大震災関連
- フォーカス:2011年6月
広大な国土を有するアメリカでは、ハリケーン、トルネード(竜巻)、洪水、森林火災、土砂崩れなど様々な自然災害が各地で頻発している。その多さから、自然災害の対応には比較的慣れた国であると言えるが、2005年に連続して南東部やメキシコ湾岸を襲った超大型ハリケーン「カトリーナ」、「リタ」、「ウィルマ」は、特に各地に甚大な被害をもたらし、死者・行方不明者合わせて約8千人のほか、自宅を失って移転を余儀なくされた被災者が大量に発生し、被害総額は約1110億ドルに上ったとされる。本稿では、ハリケーン被災者に対して、連邦労働省がどのような支援策を実施し、その1年後に就労状況がどのように変化したかについて紹介する。
1.連続したハリケーン
2005年はアメリカにおけるハリケーンの当たり年だった。特に8月に発生したハリケーン「カトリーナ」は、ルイジアナ州、アラバマ州、ミシシッピ州、テキサス州(一部)の4州にまたがる広範な被害をもたらし、ルイジアナ州の港湾都市であるニューオーリンズ市では堤防の決壊により約8割が水没するという深刻な被害が発生した。その後9月に発生した「リタ」は主にテキサス州で被害を拡大させ、10月に発生した「ウィルマ」はフロリダ州に被害をもたらした。
このように連続して発生した超大型ハリケーンの災害復興支援は、連邦緊急事態管理庁(FEMA)が中心となって実施したが、連邦労働省でもFEMAと連携しながら、以下のような支援策を実施した。
2.連邦労働省が実施したハリケーン災害復興支援策
連邦労働省が実施した主な支援策には、被災者の就労支援を行う「雇用への道プログラム」、被災した障がい者や若年者に対する特別支援施策、災害失業給付、国家緊急基金の「災害支援プログラム」、および雇用関連の優遇税制施策などがある。
(1)雇用への道プログラム
雇用への道プログラム(Pathways to Employment)は、ハリケーン被災者に対する生活再建も含めたカウンセリングを通じて、就労支援や職業訓練等を提供する施策である。全米に既存する3500カ所の「ワンストップキャリアセンター」のネットワークを拡大活用し、被災者各人の要請に応じた就労支援を実施。被災地の避難所には、経験豊かなキャリアカウンセラーが被災直後から6カ月を目途に増員派遣され、被災者に対して社会復帰に向けた地元の教育訓練機会や就労機会の情報提供を行った。
連邦労働省では2005年11月からルイジアナ州とミシシッピ州において、復興段階で労働需要の増加が見込まれる建設業に焦点を当てた雇用の道プログラムを開始。各州に500万ドルずつの補助金を提供し、州労働局とコミュニティカレッジが連携しながら新たに建設関連の職業訓練コースを設けて、被災者の職業訓練と就労支援を行った。
目的 | ・個別カウンセリングによって、被災者の就労復帰を促し、雇用機会と経済安定性を高める。 |
内容 | ・ワンストップキャリアセンターの機能を拡大し、被災者が集中する避難所等で、生活と雇用に関するカウンセリングを実施。 ・雇用、訓練、教育、福祉のあらゆるサービスを同時に利用できるようにワンストップ機能を強化し、個別カウンセリングのほか、「ハリケーン復興コーチ」という、オンラインの相談窓口も別途設置。 |
対象州 | ・被災地およびその周辺の計12州(アラバマ、アーカンソー、フロリダ、ジョージア、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシシッピ、ミズーリ、オクラホマ、テネシー、テキサス、ヴァージニア) |
図表2.建設分野における雇用への道プログラム (ルイジアナ州、ミシシッピ州)
「ワンストップキャリアセンター」は、1998年に制定された労働力投資法に基づいて設置されたセンターで、求職者は「職業紹介」、「失業保険」、「教育・職業訓練情報」など複数のサービスを1カ所で受けることができる。連邦政府の指導のもと、各州が整備を進め、現在約3500カ所で運営している。この各州で収集された職業紹介情報は、連邦労働省や各州が運営するインターネットサイト「アメリカジョブバンク」に登録されて、州外の求職者が閲覧することも可能である。
(2)障がい者ナビゲータープログラム
障がい者ナビゲータープログラムは、特に公的支援を必要とする被災障がい者に対して専門サービスの提供や就労支援を行う施策である。連邦労働省と社会保障局が連携して実施し、連邦労働省は専門家である「障がい者ナビゲーター(DPN)」の増員資金を提供した。DPNは、ワンストップキャリアセンターを通じて障がい者向けの就労支援を中心に、リハビリ、給付、職業訓練、その他利用可能な関連サービス支援を専門に行う。ハリケーン災害後は、全米17州から最大50人のDPNが被災地に増員派遣され、政府機関や地域の関連機関を通じて障がい者に特化した支援を実施した。
(3)ジョブコア
ジョブコアは既存プログラムで、アメリカ最大規模の若年者に対する教育・職業訓練支援施策である。経済的に不利な立場にある無職の若年者に対して、宿泊型の職業訓練で、知識・技能と生活全般の規律の習得を目的としている。このジョブコアを被災した若年者に特化して、支援を実施した。
目的 | ・ハリケーンで被災した若年者に対して寄宿舎型の教育・職業訓練支援を提供する。 |
内容 | ・対象の若者に対する、高校卒業証書や一般教育修了資格(GED)の授与、技能の習得機会を提供するとともに、住宅、衣類、食事、医療と少額の給料を提供。 ・建設、保険医療、自動車、テクノロジー、料理など、100以上の職業訓練を提供。 ・対象の若者が運転免許証、社会保障カード、出生証明書といった身分証明書を紛失している場合には、書類が整うまで本人の自己証明が認められる。 |
対象者 | (1) ハリケーン「カトリーナ」、「リタ」で被災した16~24歳の若年者(最大4000人)。 (2) 経済的に恵まれない者。 (3) 教育資格と職業訓練の取得を目指す者。 (4) 寄宿舎のあるキャンパスに移転する意思がある者。 |
(4)災害失業給付
災害失業給付(DUA)は大統領が宣言した地域で、災害が直接の原因で失業(もしくは自営業を中断)した人を対象に実施する経済支援策である。連邦労働省はDUAを監督し、連邦緊急事態管理庁(FEMA)との調整を行う。カトリーナをはじめとする2005年のハリケーンによるDUAの被災対象地域は、アラバマ州、フロリダ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、テキサス州の5州で、各州の労働局のウェブサイトに詳細情報が掲載されている。
目的 | ・ハリケーン被害を直接受けたことで失業した者(自営業含む)で、かつ通常の失業保険では救済ができない者を金銭的に支援する。 |
管轄 | ・対象州の失業保険センター(State Unemployment Insurance agency) |
申請 | ・被災州がDUAの利用を宣言する必要がある。申請は各州の失業保険センターに各人が行う。個人が州外へ移転している場合には、原則として被災州に申請を行うが、現在居住している被災州以外の失業保険センターに申請のために連絡を取ることは可能。 |
給付期間 | ・災害後、大統領が宣言した週初日から、個人が失業している限り最大26週間まで給付可能。 ・週当たりの最大給付額は当該被災州法に基づく失業給付規定に従い、最少額は州平均給付額の5割。 |
資格要件 | (1)大統領宣言が出された被災地の失業者(自営含む)。「仕事や職場を失った者」、「職場に行けない者」、「職場の損壊で働けない者」、「災害による怪我などで働けない者」も含む。 (2)ハリケーンで世帯主を亡くして新たに世帯主になった求職中の者で、通常の失業給付を受け取ることができない者。 申請希望者は、申請者もしくは亡くなった申請者の元世帯主が就業していた州の失業保険センターにおいて、「通常の失業給付(UI)」か「災害失業給付(DUA)」の受給権の有無を判断する。 |
注 :アメリカでは災害対応の開始に首長の災害宣言が必要である。また、連邦政府の資金を災害対応に充当する前提には、大規模な災害が発生したか、あるいは発生が予想される地域を大統領が災害地域として指定する必要がある。同様に、州政府の資金を使用するためには州知事が、市町村内では市長が、それぞれ災害を宣言する必要がある。
DUA以外にも、被災した失業者に適用される既存の失業関連プログラムは複数存在する。自らの落ち度がなく失業し、州法の受給要件を満たした失業者に対して給付する「連邦労働省の失業保険(UI)」、連邦の文民公務員だった受給資格のある失業者に給付する「連邦職員失業給付」、軍職員だった受給資格のある失業者に給付する「軍人失業給付」、失業率が高い期間中に通常の失業保険給付期間が終了した場合に給付される「失業延長給付」、輸出の影響を受けて失業した者の失業給付期間終了後に給付される「貿易再調整手当(TRA)」、非自発的離職者に早期就業復帰の機会を提供する「自営業扶助」などがそれである。
(5)国家緊急補助金の「災害支援プログラム」
国会緊急補助金(NEG)には、複数のプログラムがあるが、その中の一つに自然災害を受けた被災地の州政府や労働力投資委員会が申請を行って適用される「災害支援プログラム」がある。被災地の復興作業のために、被災失業者を一時的に雇用したり、一時雇用終了後の再就職支援を行う施策である。補助金は被災者の一時雇用や再就職支援のほか、食料や衣服など仮設避難所における人道支援に使用することも可能。一時雇用の上限は6カ月(または1040時間)で、賃金は1人当たり最大1万2000ドル(付加給付費用を除く)である。なお一時雇用終了後の再就職支援には以下の2種類がある。
・コアサービス 全ての成人が利用できる(適格要件なし) |
・求職・就職支援(キャリアカウンセリングを含む) ・労働市場情報の提供 ・就職後のフォローアップ |
・集中サービス コアサービスだけでは仕事を見つけられない者/仕事を見つけるためにさらなる支援が必要な者に限定 |
・より総合的な評価、個別の雇用計画の策定 ・グループカウンセリングと個別カウンセリング ・ケースマネジメント ・短期の職業訓練支援、実習訓練、企業内訓練、技能向上訓練、即戦力訓練、その他の訓練と組み合わせた成人教育と識字教育 |
図表1~5 出所:連邦労働省ウェブサイトを基に作成
(6)雇用関連の税制優遇
雇用関連の税制優遇は、主にハリケーン被災者を雇い入れた事業主の税を控除するという施策がある。ハリケーン後の2005年12月、「メキシコ湾岸特区法(The Gulf Opportunity Zone Act)(注1)」が制定され、被災地の経済復興支援を促進するため企業の立地・投資を促す包括的な税制優遇が行われた。その中で連邦労働省に関係する税制優遇策として、ハリケーン被災者を雇い入れた事業主に対するインセンティブとして「就労機会税控除(Work Opportunity Tax Credit)」や、「雇用継続税控除(Employee Retention Tax Credit)」などがある。どちらも、従来は就業が困難な求職者等を雇用した事業主に対する控除策であるのを、ハリケーン被災者の雇用へ拡大適用した。
(7)連邦労働省と他組織との連携事例
(1) から(6)の施策の他、人材派遣会社やコミュニティカレッジに対して補助金を拠出し、他組織のノウハウを活用する施策も実施した。その事例を次に挙げる。
(a)人材派遣会社との連携-ミシシッピ州
連邦労働省は2005年10月6日、ミシシッピ州のハリケーン・カトリーナの被災者の再就労を支援するため、大手人材派遣会社マンパワーとのパートナーシップを拡大すると発表した。被災者に対してより多くの就労機会を提供することが目的で、労働需要の高い成長業界へのマッチング強化を図り、ワンストップキャリアセンターを活用して、被災者のための長期的展望に立った職業訓練と就労支援サービスを提供するのが目的。対象の被災失業者には、キャリアサクセスカードが配布され、マンパワーの独自ルートによる就労機会が与えられた。これらは2004年にフロリダで成果をあげた政策アプローチに倣った。このパートナーシップにより被災者は、既存の公的支援とマンパワーの個別支援の両方を受けることが可能になった。また、連邦労働省とマンパワーの両者は、ミシシッピ州の避難民が自宅での生活に戻れるように住居や引越し、その他の出費に対する民間企業出資支援の創出にも取り組んだ。
(b)コミュニティカレッジに対する助成金拠出
連邦労働省は2005年10月19日、コミュニティカレッジに対して地域密着型職業訓練の助成金として1億2500万ドルを提供すると発表した。ハリケーンで被災した南東部と湾岸地域のコミュニティカレッジの中で、地域経済の復興に効果的と思われる職業訓練コースを選出し、ハリケーン「カトリーナ」と「リタ」の被災地の地域経済復興に必要な技術を有する労働者の育成・増加を図ることが目的。この助成金は、もとは2004年のブッシュ大統領の一般教書演説で発表された、コミュニティカレッジを通じて高度成長産業界(ヘルスケア、建設、高度生産、エネルギーなどの分野)に必要とされる職業訓練に使用する目的で創設された既存制度で、それを今回のハリケーン災害支援に特化させた。
3.ハリケーン・カトリーナ被災者の就労状況に関する追跡調査
連邦労働省は2008年3月、毎月人口調査(CPS)を用いてハリケーン・カトリーナ被災者の就労状況を2005年11月から2006年10月にかけて追跡した結果を発表した。CPSに新たな質問項目を設定することで、被災地外に避難した者に対する追跡調査を可能にし、被災者と非被災者の比較をしている。また、同時に被災後1年以内に元の居住地域に戻った者とそうでない者とを比較して、戻っていない被災者の方がより厳しい就労状況に置かれていると結論づけた。
この連邦労働省の報告をもとに、民間シンクタンクのランド研究所は2010年10月、更に詳細な分析結果を発表した。それによると、ハリケーン・カトリーナ上陸前の2003年から2005年8月にかけて全米労働市場は比較的安定していたが、南部ではやや雇用率が低く、カトリーナ被災地区ではさらに雇用率が低かった。また、2005年のハリケーン・カトリーナ直後に悪化した雇用率は、2006年末には全般的に改善が見られた。ただ、ルイジアナ州ではカトリーナ前の水準に回復したが、ミシシッピ州ではカトリーナ前より低い水準で、回復しないまま推移しており、被災州によって差が見られた。
また、ハリケーン・カトリーナでは約110万人が自宅を離れて避難したが、移転被災者の84%がカトリーナ後1年以内に戻っている(同住所でない場合も含む)。移転被災者(1年以内に戻った者・戻らなかった者含めて)は、概して従来から労働参加率が低く、高失業率な層だった。さらに、移転先から戻っていない者は「女性、若年、未婚、アフリカ系アメリカ人、大学卒業資格なし」と特徴づけられ、さらに失業率が高い層であることが判明した。
以下は、同研究所がまとめたCPSの追跡調査から浮かび上がってきた被災者の就労状況の推移である。
図表6.ハリケーン・カトリーナ被災者の就労状況の推移 (2005年11月~2006年10月)
資料出所:Rand RB-9531,2010 (Monthly CPS data from November 2005–October 2006)
図表6から、ハリケーン・カトリーナの被災後、1年を過ぎた時点で戻らなかった者の就労状況は、被災直後よりも改善しているが、移転しなかった者と比較するとその差は大きい。また、自営業は災害後、雇用労働者と比べて比較的短期間で回復している。ランド研究所では、1年以内に戻って自営業を営んでいる者の多くは元から自営業であったと推測している。逆に戻って来なかった者の中で元自営だった者は少なく、4カ月後から1年後にかけて急激に自営率が増加した。ここから戻って来なかった者は、被災後に起業機会の提供が多かったために起業した者が多かったのではないかと分析している。
以上の追跡調査結果から、自然災害がマクロ労働市場に与えるマイナスの影響は短期間であったとしても、ある特定層は被災した結果、非常に厳しい状況に直面し、それが続くということが判明した。詳細分析を行ったランド研究所では、『ハリケーン・カトリーナのような大災害の場合には、「失業・移転」をより重点的に考慮しなければならず、特にハリケーン前に住んでいた地区を離れて、1年後も戻って来ることができない被災者は、労働市場においてより厳しい状況に直面している。こうした被災者に対しては特別の配慮が必要である。また他方、災害後の短期間でみると「自営業」は求職者が経済活動に戻り、経済回復する一つの道として存在している』と、結論づけている。
4.まとめ
以上、連邦労働省のハリケーン災害支援策と被災者の就労状況に関する追跡調査結果を見てきた。大規模な自然災害の発生時には、まず住居や食糧などの生活再建が大切だが、その後は中長期展望のもとで被災者が立ち直って継続的に働き自活できるような支援策が重要になる。そのため連邦労働省では生活と雇用の双方の重要性を認識しながら、ワンストップキャリアセンターのカウンセラー等を通じて被災者がワンストップで総合的な支援が得られるような配慮をしている。さらに支援の際には、特に災害の影響を深刻に受けやすい障がい者や若年者に特化した施策も既存プログラムを活用しながら実施している。このように、ともすると縦割りになりがちな行政支援を、被災者の立場に立って横断的かつ柔軟に支援していくことは重要である。また、連邦労働省と民間人材派遣会社や各州のコミュニティカレッジが連携して支援を行っている点も特徴として挙げられる。
被災者の就労状況に関する追跡結果をみると、ハリケーン災害から1年が経過した時点で、マクロでみる被災地の労働市場は概ね改善傾向にある。しかし、さらに詳細な分析をすると、被災によって移転を余儀なくされて1年後も元の居住地域に戻っていない被災者の状況は必ずしも芳しいものではなく、従来労働市場で弱い立場にあった特定層が被災した場合の政策的配慮の必要性が浮かび上がってくる。
なお、ハリケーン被害で大量の失業者が出た際には、失業した被災者支援のために、一部に一般財源も投入されており、労使負担の雇用保険を超えた事象が発生した場合、一般財源による被災失業者の救済可能性についても検討する余地があろう。
最後に、ハリケーン災害後の2005年12月に制定された「メキシコ湾岸特区法(The Gulf Opportunity Zone Act)」では、被災地の経済復興支援を促進するために企業の立地・投資を促す包括的な税制優遇措置が導入され、その中で被災者を雇用した事業主への税控除などの優遇措置が実施された。アラバマ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州などの被災州では、従来からカジノ等の娯楽産業が盛んだったが、こうした特別税制優遇を活用しつつ州外から計画的に民間のカジノ開発資本を誘致し、それに伴う観光復興策を実施したところ、関連産業で2.5万人規模の雇用が創出されたとの報告もあり、税制優遇策が雇用に与える影響は非常に大きい。大規模自然災害の復興に際しては、単独の雇用対策のみならず、様々な領域の政策を有機的に組み合わせて実施しながらその相乗効果を図る必要があると思われる。
注
- ハリケーン・カトリーナ後の2005年9月には、個人減税を中心とした「カトリーナ緊急減税措置法(Katrina Emergency Tax Relief Act)」が制定されたが、同法は後にハリケーン「リタ」や「ウィルマ」の被災者も対象として同年12月に制定された「メキシコ湾岸特区法(The Gulf Opportunity Zone Act)」に統合された。
参考資料
- United States Department of Labour Hurricane Recovery Assistance ウェブサイト
- Jeffrey A. Groen and Anne E. Polivka of the U.S. Bureau of Labor Statistics (2008) "The Effect of Hurricane Katrina on the Labor Market Outcomes of Evacuees" Working Paper 415, BLS WORKING PAPERS U.S. Department of Labor
- Lynn A. Karoly, Julie Zissimopoulos (2010) "The Workforce and Economic Recovery―Effects of Hurricane Katrina" RB-9531 RAND Corporation
参考
- 1米ドル(USD)=80.67円(※みずほ銀行ウェブサイト2011年6月17日現在のレート参考)
2011年6月 フォーカス
- アメリカ:海外の大規模災害復興対策(2) アメリカの災害復興支援はどのように行われたか —2005年ハリケーン等被害に対する雇用支援策を中心に